^<201>TICI、^<99m>Tc-tetrofosminおよび^<99m>Tc-MIBIの心筋血流放射性医薬品の定速静注下の動態SPECT(単光子断層撮像)法、および急速静注下のプレーナー(二次元撮像)法から、局所心筋の経時的放射能増加を捉え、薬物動態モデル解析の手法を用いて、局所心筋血流量を絶対値として定量的に算出する方法を考案し、本法の妥当性を検討した。 平成9年度および平成10年度で得られた検討結果は下記の如くである。 1. 心筋血流放射性医薬品定速静注5分以降で心筋放射能は直線的に増加し、定速静注下の動態SPECTにより心筋放射能変化を経時的に観察することで、心筋血流量を絶対値として定量測定する方法が確立された。 2. 本法を用いて冠動脈拡張剤であるdipyridamole投与下および運動負荷下の心筋血流量を測定し、^<201>TICI、^<99m>Tc-tetrofosminおよび^<99m>TC-MIBIの三放射性医薬品の比較検討を行ったところ、心筋放射能増加は^<201>TICIで最大の増加が得られ、^<201>TICIが心筋血流放射性医薬品として最も適当なことが判明した。^<99m>Tc-tetrofosminと^<99m>Tc-MIBI間では、心筋放射能増加は^<99m>Tc-MIBIで少なからず増加が見られたものの、^<99m>Tc-tetrofosminでは殆ど増加が見られなかった。 3. 以上、本法は虚血性心疾患における冠動脈拡張術や冠血行再建術などの治療効果の判定手段のみならず、治療適応の是非の決定手段としても応用しうる可能性が示唆された。
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