研究概要 |
我々に慨に、冷却型CCDカメラ、増感紙、X線発生装置に、パーソナルコンピュータからなるDSAシステムを組み立て、メモリやディスプレイ装置を装備したうえで、種々の血管ファントムを作成し、これを用いて以下のような実験を行ってきた。即ち、種々の濃度の造影剤を循環ポンプで注入し、CCDチップ上でその間の信号蓄積を行い、希釈濃度と蓄積効果の関係を測定した。造影剤の循環速度間における画像からサブトラクション画像を取得し比較検討した結果、造影剤希釈濃度が150〜60mgI、流速が150mm/sec、30secの蓄積時間において最も鮮鋭度の良い画像が構築できた。本法とフィルムによる画像の比較においてもほぼ同様の結果が得られた。これらの結果を踏まえた上で,11年度には臨床応用を見据えながら、新たに作成した径の異なる4種類のチューブかなる血管ファントムに、150mgI/dIの造影剤を、1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64,1/124、1/248,1/512,1/1024にそれぞれ希釈し、シーメンス社製ハイコーシステムによるDSA像を撮像し、この画像と、同じく我々のシステムでの撮像像を、比較検討を重ね、システムの改良に努めた。尚、血管ファントムは生体を想定して19cm厚のアクリル板の上に載せ撮像した。DSA像は、水を満たした状態から各種濃度の造影剤を各々手押しで注入に、FID85cm、63Kv20mAsで撮像しサブトラクションした。CCD像はマスク像撮像後にライブ像を得てサブトラクションした。その結果、時価約1億円のDSAシステムで得られたものと、勝るとも劣らない画像が、我々の高々数百万円の装置でも得られる可能性が認められた。
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