研究課題/領域番号 |
09670924
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐久間 肇 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60205797)
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研究分担者 |
野村 新之 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (50283536)
竹田 寛 三重大学, 医学部, 教授 (70106988)
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キーワード | 心筋血流 / MRI / 肥大型心筋症 / 血流予備能 / 冠静脈洞 |
研究概要 |
昨年度から実施してきた位相法を利用したMR冠血流量計測をより多くのHCM患者を対象に実施し、結果の統計的精度の向上をはかった。対象はHCM患者28例である。冠静脈洞のVelocity encoded cineMRIをジピリダモール投与前後で撮像し、左室心筋血流量を示す指標としての冠静脈洞血流量を求めた。HCM群の心筋重量(213±65g)は、正常ボランテア群の心筋重量(125±34g)よりも有意に高かった(p<0.01)。負荷前の心筋1gあたりの冠血流量は正常群(0.74±0.23ml/min/g)、HCM患者(0.62±0.27ml/min/g)であり、2群間に有意差は認められなかった。しかし負荷後の心筋1gあたりの冠血流量は、正常群(2.14±0.51ml/min/g)と比較して、HCM群(1.03±0.40ml/min/g)では著しく低く(p<0.01),HCM患者のCFR平均値(1.72±0.49)も正常心筋(3.01±0.75)と比較して有意に低下していた(p<0.05)。本研究により、これまでサーモダイリューションカテーテルなどの侵襲的手法やPETを用いなくては計測できなかった左室全体や心筋1gあたりの心筋血流量を、MRを用いて非侵襲的に計測できることが示された。MRIによる冠血流計測は、心筋症における微小循環障害の病態を非侵襲的に提示し、臨床上価値が高いと考えられた。
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