研究課題/領域番号 |
09670924
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐久間 肇 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60205797)
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研究分担者 |
加藤 憲幸 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (40214390)
竹田 寛 三重大学, 医学部, 教授 (70106988)
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キーワード | 心筋血流 / MRI / 肥大型心筋症 / 血流予備能 / 冠静脈洞 |
研究概要 |
平成9年度から実施してきた位相法を利用したMR冠血流量計測に関する研究を継続し、Velocity encoded cine MRIを用いて左室心筋血流量を示す指標としての冠静脈洞血流量を求め、ジピリダモール負荷前後における総冠血流量や心筋1gあたりの冠血流量を定量評価した。さらに、一部の症例については心筋パーフュージョンMRIを実施し、局所心筋血流分布を画像化し、微小循環障害の画像的評価も行った。肥大型心筋症における安静時の総冠血流量は152±92ml/minであり、正常群の値(92±32ml/min)と比較してかなり高く、冠動脈血流速度も高い値を示し、心筋重量の増加に対応して安静時血流量が増加しているものと思われた。一方、ジピリダモール負荷後の総冠血流量は正常群268±103ml/min、肥大型心筋症244±126ml/minであって両群に有意差はなく、冠動脈血流速度にも有意差は認められなかった。これらの結果から、肥大型心筋症における血流予備能の低下には安静時冠血流量の増加が大きな影響を及ぼしているものと思われた。また、肥大型心筋症の症例の一部に心筋パーフュージョンMRIを実施したところ、ジピリダモール負荷後のダイナミックMRIにおいて心内膜側を中心とした心筋血流低下が認められた。このように、MRIを用いた冠血流計測および心筋パーフュージョン評価は、心筋症における微小循環障害の病態を非侵襲的に提示し、診断や治療効果の判定等を行う上で有用な診断法になるものと思われた。
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