研究概要 |
正常雌ラットを用いた小動物用核磁気共鳴装置におけるラット大腿骨頭の画像化の至適条件をグレディエントエコー法によるTR=50,TE=5,flip angle=30,Matrix=512×512,FOV=4×4cm,slice thickness=0.5mmと決定していたが、解像度の高い画像を得るのはやや困難であった。これはラットの大腿骨頭の大きさは 2mm直径程度とかなり小さいためと思われ、撮像領域であるFOVをさらに2×2cmないし1×1cmと小さくしたが、FOVを小さくするほど良好な信号ノイズ比を得ることが困難となり、かえって画像が悪化した。結局FOVを2×2cmとし、易脳卒中自然発生高血圧ラットの大腿骨頭の撮像を試みたが、ヒトで観察される典型的な大腿骨頭壊死の画像を得ることができなかった。その原因として推察されることは、ひとつはラットの大腿骨頭は小さく、現有する磁場強度2.0テスラの小動物用核磁気共鳴装置では撮像できる限界を超えている可能性が考えられる。もうひとつはヒトとラットでは種が異なるため、骨髄の脂肪含有率の違いなどによりヒトで観察される典型的な大腿骨頭壊死の画像は得にくい可能性である。さらに核磁気共鳴装置による実験を試みるが、平成11年度末に当施設に解像度26ミクロンを有するマイクロCTと呼ばれる小組織および小動物用の高解像度CT装置が設置されることになっており、これを用いた骨の微細構造の解析により大腿骨頭壊死を捉えることを計画している。
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