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1997 年度 実績報告書

酸化的ストレスを指標とする脳老化核医学診断とその治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670930
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

藤林 康久  京都大学, 薬学研究科, 助教授 (50165411)

キーワード老化促進モデルマウス / ミトコンドリア / 遺伝子欠失 / Cu-62 / ラジカル / PCR / 記憶障害 / ポジトロンCT
研究概要

前年度までの研究で明らかにしてきた老化促進モデルマウス(SAMP8)脳におけるミトコンドリアDNA欠失は、ラジカル大量発生により障害を受けた核酸部位での二重鎖の開裂が誘因となっているものと考えられる。そこで、細胞内ラジカル発生の原因と考えられる電子伝達鎖障害の有無を明らかにするため電子伝達鎖を構成する酵素の活性変化を調べたところ、複合体IIIにおいて有無な活性の低下が観察され電子伝達鎖上流部位における異常な電子の蓄積が示唆された。一方、SAMP8脳組織ホモジネートから調整されたミトコンドリア分画の酸素消費にも異常が観察され、電子伝達鎖の異常がごく早期に生じていることが示された。電子伝達障害を検出する診断薬剤であるCu-62-diacety-bis(N4-methylthiosemicarbazone)(Cu-ATSM)の静脈内投与10分後におけるSAMP8脳内集積を検討したところ、記憶障害が発生する以前の1ヶ月齢においてコントロール群に比較して有意に高い脳集積を示した。また、電子の異常蓄積により発生する活性ラジカルと反応することにより細胞内に滞留する性質を有するラジカルトラッピング薬剤の放射能標識体I-125-p-iodophenyl-N-tert-butylnitrone(IPBN)もまた生後1ヶ月齢SAMP8脳において選択的集積を示した。したがって、SAMP8脳では、生後ごく早期から電子伝達鎖に障害が生じており、電子の異常蓄積とそれに伴うラジカルの発生が起きていることが示された。また、Cu-62-ATSMあるいはIPBNを用いることにより臨床症状がみられる以前の階段での診断の可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fujibayashi,Y: "Intracellular metqabolism of Tc-99m-d,1-HMPAO in vitro : a basic approach for understanding the hyperfixation mechanism damaged brain." Nuclear Medicine and Biology. (in press).

  • [文献書誌] Fujibayashi,Y: "Copper-62-ATSM : a new hypoxia agent with high membrane permeability and low redox potential." Journal of Nuclear Medicine. 38. 1155-1160 (1997)

  • [文献書誌] Fujibayashi,Y: "Radioiodinated alpha-p-iodophenyl-N-tert-bytylnitrone as a radical detecting agent in vivo." Nuclear Medicine and Biology. 24. 399-403 (1997)

  • [文献書誌] Fujibayashi,Y: "Hyperfixation of copper-62-PTSM in rat brain after transient global ischemia." Journal of Nuclear Medicine. 38. 1130-1134 (1997)

  • [文献書誌] Fujibayashi,Y: "In vivo visualization of abnormal brain aging by PET and SPECT." In : Recent advances in Biomedical Imaging,Elsevier Sciences,247 pages. 171-177 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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