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1998 年度 実績報告書

CTによる肺癌2次検診発見の肺小腫瘤の確定診断法と指導区分の作成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670934
研究機関神戸大学

研究代表者

廣田 省三  神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (20181216)

研究分担者 児玉 明久  神戸大学, 医学部, 助手 (30252787)
糸氏 英一郎  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90243302)
山崎 克人  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (50210381)
足立 秀治  神戸大学, 医学部, 助教授 (60159407)
キーワードヘリカルCT / 肺癌 / CT検診
研究概要

平成3年から10年にかけて行ったヘリカルCTによる肺癌2次検診受診者(のべ801名)の内、肺野末梢部腫瘤を認めた55例につきCT所見を原発性肺癌(以下、原発性)、転移性腫瘍(以下、転移性)、良性腫瘤(以下、良性)に分類して、retrospectiveに検討した。内訳は、原発性肺癌が14例、転移性腫瘍が8例、良性腫瘤が33例である。
腫瘤径は、小さいものほど良性の割合が高かった。特に径5mmでは14例中13例(93%)が良性であった。一方、径が大きくなるにつれて悪性の割合が増し、径20mm以上では、11例中7例(64%)が悪性であった。腫瘤の個数、分布は、良性は1〜6個、転移性は1〜20個、原発性は全て1個であった。腫瘤内部の性状は、良性および転移性では含気型が高率に認められ(それぞれ94%,88%)、原発性では充実型が比較的高率にみられた(43%)。均一性は、不均一が良性14例(42%)、転移性2例(25%)、原発性7例(50%)にみられた。また気管支透亮像は良性7例(21%)、原発性5例(36%)に認められた。辺縁の性状は、良性、転移性、原発性ともに境界明瞭が多かった(順に97%,100%,100%)。また良性、転移性では、辺縁の平滑が高率に認められた(それぞれ85%,100%)。原発性では、棘形成(100%)、胸膜嵌入(71%)、分葉(43%)が高率に認められた。血管の巻き込みについては、肺動脈、静脈ともに原発性で高率に巻き込みを認めた(各々93%,86%)。良性も肺動脈の巻き込みはみられたが、肺静脈の巻き込みはほとんどみられなかった(各々45%,3%)。
上記結果より作成した3種類のCT仮診断基準案の検討から、径5mmより大きい場合、上記悪性を疑う所見を1項目でも認める場合は、HRCTを行い、さらに精査すべきと考える。一方、径5mm以下で、境界明瞭、辺縁平滑な類円形で数個までのものは、良性の可能性が高く、厳重な経過観察で対処可能なものが多いと考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 本山新,楠本昌彦,河野通雄: "ヘリカルCTの肺癌・2次検診への応用-CT検診発見の肺野抹梢部腫瘤のCT所見と診断基準作成に関する検討-" 肺癌. 37(4). 491-500 (1997)

  • [文献書誌] 本山新,河野通雄: "ヘリカルCTの肺癌二次検診への応用" 新医療. 10. 99-101 (1997)

  • [文献書誌] 本山新,楠本昌彦,糸氏英一郎,足立秀治,河野通雄 他5名: ":ヘリカルCTの肺癌2次検診への応用-5年間の要精検例のCT所見の分析-" 胸部CT検診. 4(3). 148-151 (1997)

  • [文献書誌] 本山新,楠本昌彦,糸氏英一郎,足立秀治,河野通雄 他5名: "限局性器質化肺炎のCT像の検討" 臨床放射線. 42(1). 77-83 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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