基礎的並びに臨床的検討により神経血管圧迫症候群に対する非外科的除圧術の基本的技術としての神経血管圧迫の責任血管への経血管的アプローチ技術を確立した。同時に、本法の方法論の根拠としての本症における責任血管に対する機械的操作による圧迫解除の可能性が臨床例において確認できた。しかしながら本法に使用する器材に関しては現時点では十分な性能の器材はなく、今後さらに器材の開発と改良が必要と考えられた。神経血管圧迫症候群としては片側顔面痙攣と三叉神経痛が代表的なものであるが、舌咽神経痛や本態性高血圧などの発症にも血管圧迫の関与の可能性が示されている。本研究により、すでにその病態が解明されている片側顔面痙攣とともに舌咽神経痛の患者においても血管圧迫がその原因たり得ることを証明できた。今回行った手技は、これまで報告されている片側顔面痙攣だけでなく、片側顔面痙攣以外の神経血管圧迫症候群おいても誘発テストとして活用する価値があることを示唆しており、この手技を用いることで神経血管圧迫症候群が疑われる疾患の病態解明が進むことも期待される。
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