研究課題/領域番号 |
09670945
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
勝山 直文 琉球大学, 医学部, 助教授 (50100920)
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研究分担者 |
小川 和彦 琉球大学, 医学部, 助手 (40253984)
戸板 孝文 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (30237036)
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キーワード | 腫瘍浸潤リンパ球(TIL) / 腎細胞癌 / In-IIIオキシン(Oxine) / RI |
研究概要 |
研究目的:癌患者の転移の早期発見を新しい核医学的診断法により行う。平成9年の研究においてリンパ球の培養法についてはほぼ確立した。腎細胞癌の臨床例についても良好な結果が得られた。今回は腎細胞癌以外の悪性腫瘍への本法の応用を試みた。 動物実験方法:実験的動物腫瘍としてVX2を家兎の大腿部筋肉内に移植したものを用いた。応答細胞としてはVX2を移植した家兎末梢血より分離したリンパ球 3×10^4cells/well、刺激細胞として摘出VX2腫瘍細胞 3×10^3cells/well、ヘルパー細胞として家兎骨髄細胞 3×10^3cellsの以上3つの細胞を混合し、5日間培養した、その後、細胞が10^6cell以上になるまで約10日間分離培養を繰り返した後、腫瘍成分を除去し、リンパ球成分のみを抽出した.培養リンパ球を^<111>In oxine 3.7MBq(0.05ml)にて標識した。標識培養リンパ球を腫瘍摘出家兎に静脈内投与した後、シンチレーションカメラにて経時的に撮像した。また尿および血液を採取してウエル型シンチレーションカウンターにて測定した。実験にはVX2を移植した家兎5羽を用い、腫瘍径は5cmのものを用いた。 結果;シンチレーションカメラによる撮像では、画像上腫瘍への集積は殆ど認められなかった。腫瘍移植部と反対側の大腿部のカウント比はほぼ1.0であり、計測上からも腫瘍への培養リンパ球は全く集積しない結果であった。血中からRl消失は非常に早かった。また、尿中には殆ど排泄されなかった。 考察;今回の実験結果より、VX2腫瘍細胞に対し自己リンパ球の免疫応答が全くされなかったために腫瘍への集積が認められなかったと考えられた。腎癌または悪性黒色腫に類似した実験的動物腫瘍で、今後実験を行う必要がある。 臨床研究:平成10年度の本学医学部の倫理委員会において、平成9年に認められた本治療法が治療効果が少ないことにより、承認が取り消された。従って、臨床研究は中断となった。
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