研究概要 |
ターゲットレスX線管の基礎研究:電子を対向する2方向から加速し、衝突させることによりX線を発生させた。X線管を高真空に排気し,管の内径を小さくすることによりX線の発生効率を高めた。 高フォトンエネルギー擬似X線レーザーの発生:高エネルギー放電によりプラズマX線源を形成し、これを線状に形成することなどにより制動X線を蛍光X線(特性X線)に変換した。吸収係数が不連続なことから特性線はプラズマを容易に透過するので、結果として単色化フィルタを挿入しなくとも高い強度の擬似単色X線が発生した。このような原理で発生する擬似単色X線を擬似X線レーザーと名付けた。 低フォトンエネルギー擬似X線レーザーの発生:高エネルギー放電にて細管の陽陰電極を気化する。つぎに細管内に線状の金属プラズマX線源を形成し、制動X線を蛍光X線(特性X線)に変換し,高い強度の擬似X線レーザーを発生させる。現在,真空中でX線スペクトルの測定を行っているところであるが,目的とするエネルギー領域のX線の発生は2種のフィルターを用いた差分法により既に確かめた。 高フォトンエネルギーストロボX線装置の実用化:パルス高電圧印加時に放電破壊電圧が著しく向上することから,パルストランスX線管とを組合わせることにより高フォトンエネルギーストロボX線装置の製品を開発した。この装置におけるフォトンエネルギーと繰り返し頻度の最大値はそれぞれ約300keVと10kHzで,さまざまな分野での超高速度非破壊試験に利用できる。
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