研究課題/領域番号 |
09670953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
似鳥 俊明 杏林大学, 医学部, 助教授 (90228247)
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研究分担者 |
横山 健一 杏林大学, 医学部, 助手
花岡 秀人 杏林大学, 医学部, 助手 (80296540)
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キーワード | coronary vessels / angiography / MR imaging |
研究概要 |
現在主流の2次元冠動脈MRAについては既にいくつかの報告があるが、その診断能の結果に大きなばらつきが見られる。装置、撮像方法、対象血管による差などその差異の原因は多数考えられるが、我々は狭窄の程度で描出能に差があるのではと考え、現在まで行われた153例の臨床例を対象に、その検査成功率、通常血管撮影法との比較を行い、狭窄度により検査精度が異なることを結論として導き、その理論的背景と共にヨーロッパMR学会に報告し、"CUM LAUDE"Awardを受賞した。 また現在主流の冠動脈MRA撮影像である2次元法のもつ問題点のうち、呼吸停止困難例への対策を主に考案された方法がnavigator echoを用いた呼吸同期法3次元MRAである。この方法では、横隔膜の上下運動から得られたエコー信号を呼吸波形のモニターとして取り出し、ここで定めた呼吸時相内のデータのみから3次元のMRAを構築する。この結果呼吸運動によるmotion artifactを抑制し、呼吸停止下撮像と同様の画像を得ることが可能となる。三次元データの立体再構成法には数種類あるが、我々はmultiplanar reconstruction(MPR)法により、ボランティア撮像を含めた基礎的実験、臨床検討を行った。その結果、高度狭窄病変をunder-estimateする結果がでた。3次元処理中に狭窄部に画像補間"smoothing"などの画像的な修飾が加わる事と、やはり3次元処理によって増大する空間分解能の低下が主たる原因と考えた。造影剤投与によっても描出率の改善は得られなかった。再構成法にはMPR法以外に、maximum intensity projection(MPR)法あるいはvolume rendering法などがある。次年度はこれらと方法との対比、更に造影剤投与法の検討を予定する。
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