研究課題/領域番号 |
09670960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
福田 国彦 東京慈恵会医科大学, 放射線医学, 教授 (20156780)
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研究分担者 |
北村 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40234273)
丸毛 啓史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70199925)
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キーワード | 膝関節 / MRI / 経年変化 / 変形性関節症 |
研究概要 |
膝関節に症状や既往疾患の無い20歳代のボランティア6人、60歳以上のボランティア8人、60歳以上の変形性膝関節症10人を対象としてMRIを施行し、膝関節における経年的変化と病的変化を評価検討した。 その結果、関節軟骨のびらんは20歳代のボランティアではみられず、60歳以上のボランティアでは25%、変形性膝関節症では全症例にみられた。半月板は20歳代ボランティアでは17%で変性、60歳以上のボランティアでは全例で変性あるいは単純な水平断裂、変形性膝関節症では全症例で複合断裂や原型を残さぬほどの変性がみられた。前十字靱帯の損傷は20歳代および60歳以上のボランティアではみられず、変形性膝関節症では60%でみられた。骨棘形成、軟骨下骨の信号低下、軟骨下襄胞形成は20歳代のボランティアではみられず、60歳以上のボランティアでは軽度のこれらの変化が13%でみられ、変形性膝関節症では中等度〜高度の変化がほぼ全症例でみられた。 したがって、軽度の関節軟骨びらん、軽度の骨棘形成、関節軟下骨の限局性信号低下、小さな軟骨下襄胞形成、および半月板の変性や単純な水平断裂は、健常者でもみられる膝関節の経年的変化であるといえる。一方、広範な関節軟骨びらん、高度の骨棘形成、関節軟下骨の広範性信号低下、大きな軟骨下襄胞形成は、経年的変化のみで生じるものではなく、変形性膝関節症においてみられる変化である。また、半月板の正常な形態をとどめぬ程の高度の変性や単純な水平断裂以外の複合断裂や前十字靱帯の損傷も経年的変化のみで生じる所見ではなく、病的変化であるといえる。
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