研究課題/領域番号 |
09670974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
井田 逸朗 群馬大学, 医学部, 助手 (50251103)
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研究分担者 |
冨吉 勝美 群馬大学, 医学部, 助手 (60188802)
三國 雅彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (90060508)
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キーワード | 感情障害 / 不安障害 / カテコールアミン / PET |
研究概要 |
平成9年度研究実績 本年度は^<18>F-FDGと^<18>F-α-メチル-L-チロシン(^<18>F-α-M-L-T)のPET検査を感情障害症例につき、実施を始めた。被験者には研究主旨と検査法、検査で予想される危険性につき説明し書面による同意を得た。^<18>F-FDGと^<18>F-α-M-L-Tの検査が施行できた感情障害症例は現在のところ3名で、大うつ病1名(64歳)、双極感情障害2名(55と59歳)である。いずれも抗うつ薬療法中であるが、なおうつ状態にあり、検査時点でのハミルトンうつ病尺度は10〜33点とばらつきが見られる。対照はほぼ年齢を一致させ健康ボランティアである。安静閉眼仰臥位の被験者に^<18>F-α-M-L-T、185MBqを1分間以上かけて静脈内投与した45分後から8分間ダイナミックスキヤンを行い、同時に血中放射能活性を測定した。その結果、感情障害3名の前頭前野(PFC)における^<18>F-FDGの単位面積当たりの放射能集積量の結果は4.03±2.01(SD)と、対照の5.7±0.6より低い傾向が認められたが有意差はなかった。^<18>F-α-M-L-T検査の結果もPFCでは1.09±0.37(SD)と、対照の1.30±0.13より低い傾向が認められるが有意差はなかった。一方、線条件(S)においても有意差はなかったが、感情障害症例における蓄積の方が高い平均値を示していた。感情障害ではPFC/S比が0.54±0.05であるが、対照では0.83±0.10と、感情障害で危険率2%以下で有意な低下が観察された。前頭前野内側部はドーパミン優位の部位であり、線条体との比が有意に感情障害で低下していることから、腹側被蓋野に細胞体を有する前頭前野におけるドーパミン神経のドーパミン合成能が感情障害で低下している可能性を示唆する新知見が得られたということができる
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