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2000 年度 実績報告書

小児崩壊性障害の症状、発達及び経過に関する臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670977
研究機関東京大学

研究代表者

栗田 広  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30010466)

キーワード自閉症 / 小児期崩壊性障害 / 崩壊精神病 / ヘラー症候群 / 有意味語消失 / 広汎性発達障害 / 精神発達退行
研究概要

本研究では、DSM-IVの小児期崩壊性障害(CDD)の妥当性を検討するため、CDDの10例(M=7.7歳、男7、女3)、DSM-IVでは自閉性障害(AD)とされるICD-9の崩壊精神病(DP)(DP-AD)11例(M=6.5歳、男9、女2)、DSM-IVではPDDNOSとなるDP(DP-PDDNOS)7例(M=6.1歳、男5、女2)および有意味語消失(SL)を呈したAD(ASL)82例(M=5.9歳、男62、女20)の4群(年齢と性比に有意差なし)を、症状・発達に関する退行前16、中8および後24変数で比較した。対比較を含め12変数で有意差があった。退行前は、CDDは1歳前後の分離不安がASLより多く、指差しはDP-PDDNOSとASLより多く、排尿統制はDP-ADとASLより多く、有意にASLは他3群より2語文使用が少なくSL年齢が早く、正常な対人関係はCDDとDP-ADより少なかった。退行に先行する心理社会的ストレスは4群間で有意差があったが、対比較で有意差はなかった。退行中は、CDDは指差し消失がASLより多く、排尿統制退行がDP-ADとASLより多く、ASLで不安症状は他3群より少なかった。退行後は、CDDはてんかんと常同行動がASLより多く、DP-PDDNOSは言語コミュニケーション障害がASLより軽かった。自閉度とIQ35未満の児の率は、4群で有意差はなかった。CDDはASLより退行前発達は良好で退行も明瞭だが、退行約4年後には、てんかん併発率は高いが、発達と自閉度の差はなくなり、DP-ADとDP-PDDNOSとの差も少なくなった。CDDは臨床的妥当性を有し、自閉症の20〜40%を占めるASLとは、発達的予後に差のない可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 長田洋和 他: "広汎性発達障害スクリーニング尺度としての乳幼児期行動チェックリストに関する研究"臨床精神医学. 29. 169-176 (2000)

  • [文献書誌] 久保田友子 他: "有意味語消失で示される発達退行を呈する広汎性発達障害児の早期発達についての研究"精神医学. 42. 413-418 (2000)

  • [文献書誌] 立森久照 他: "東京自閉行動尺度の広汎性発達障害の診断補助尺度としての有用性の検討"臨床精神医学. 29. 529-536 (2000)

  • [文献書誌] 栗田広: "小児期崩壊性障害とその周辺"乳幼児医学心理学研究. 9. 1-10 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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