研究課題/領域番号 |
09670982
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
松永 勉 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10273179)
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研究分担者 |
森 則夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
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キーワード | 覚醒剤精神病 / 精神分裂症 / メタンフェタミン / 過酸化水素 / ラット / イン ビボ / 電気化学的計測 / MK-801 |
研究概要 |
NMDA受容体の非競合的アンタゴニストであるMK-801は、メタンフェタミン(MAP)と同時投与することにより、MAPの反復投与による逆耐性の形成を抑制する。このことから、NMDA受容体を介した情報伝達が、精神分裂病再燃のモデルと考えられるMAPによる逆耐性形成に深く関与していることが推測される。一方、MK-801の同時投与はMAPの急性投与によるドーパミン神経の傷害を抑制しないことが報告されている。MAP投与による神経傷害は、過剰放出されたドーパミンが代謝される際に放出される過酸化水素の神経毒性に起因すると考えられる。そこでわれわれは、MAP投与による過酸化水素の産生がMK-801の前投与によって影響を受けるか否か、およびMK-801の単独投与が過酸化水素濃度を変化させるか否かについて検討した。 脳内の過酸化水素濃度は、ラットの線条体に埋め込んだ微小電極を用い、ダブルパルスアンペロメトリー法による電気化学的計測により定量した。 その結果、MK-801の同時投与は、MAPによるラット線条体における過酸化水素濃度の上昇を抑制しなかった。また、MK-801の単独投与により、同部位で過酸化水素濃度が用量依存的に上昇することが明らかとなった。レセルピンによる前処置が、MK-801による過酸化水素濃度の上昇を抑制したことから、MK-801投与により増加した過酸化水素はドーパミンに由来すると考えられた。 上記の結果により、MK-801がMAPによる神経傷害を抑制しないのは、MAPによる過酸化水素の産土の増加を抑制しないためであることが示唆された。また、MK-801の単独投与によっても過酸化水素の産生が増加し、それ自身過酸化水素を介した神経毒性を有する可能性があることが明らかとなった。
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