研究概要 |
検体として中性ホルマリンに固定した6例の非定型痴呆の死後脳を用いた。その6例について、10μm厚のパラフィン包理切片をガリアス・ブラーク法、ビルショウスキー変法で染色し、グリアの嗜銀性構造物の検索をした。検索部位は海馬を通る前額断半球切片を基本としたが、他の部位の前額断半球も用いた。その結果、グリアの嗜銀性構造物として、形態学的にはThorn-Shaped astrocyte, Tuft-shaped astrocyte, Astrocytic plaque, Glial coiled body, Argyrophilic thread 類似の建造物が見られた。部位的には Thorn-Shaped astrocyte類似の建造物はグリオーシスの著明な白質持に側頭葉の白質に多数見られた。 Tuft-shaped astrocyte 類似の構造物は前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳皮質にびまん性に少数見られた。 Astrocytic plaque 類似の構造物は前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳皮質に少数見られた。 Glial coiled body 類似の構造物は前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳白質に少数見られた。argyro philic thread類似の構造物は前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳白質と皮質に見られた。 今後は上記で得られたグリアの嗜銀性構造物をタウをはじめとする一次抗体を使用し、免疫組織化学的検索をする予定である。また、凍結保存した非定型痴呆の死後脳を用いて免疫二重染色を行い、検討する予定である。
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