研究課題/領域番号 |
09670987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 喬 大阪大学, 医学部, 助手 (10273632)
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研究分担者 |
中村 祐 大阪大学, 医学部, 助手 (70291440)
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 教授 (00179649)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン / 脳虚血 / 砂ネズミ |
研究概要 |
プレセニリン1(PS1)は早期発症型家族性アルツハイマー病の原因遺伝子として注目されているが、病態への関与のメカニズムや生理的機能については不明である。そこで本年度は脳虚血による神経細胞侵襲後のPS1の変化について検討し、その生理的機能を考察した。成熟砂ネズミの両側総頚動脈を5分間クリッピングし、3時間-7日間再環流した後、断頭し、凍結切片とライセ-トを作成した。砂ネズミPS1cDNAよりcRNAプローブを作成し、in situ hybridization及びNorthern法を用いて、虚血後のPS1mRNAの変化について経時的に検討した。また、蛋白レベルの変化についても抗PS1抗体を用いた免疫組織化学及びWestern法を用いて検討した。5分間脳虚血後再環流1日目にPS1は誘導され始め、3日目にそのピークが認められた。対照としてGAPDHのmRNAについても検討したところ、この誘導はPS!に特異的であった。このPS1誘導が見られる部位は海馬ではCA3及びdentate gyrusといった虚血に比較的強い部分であった。またCA1などでは虚血により大部分の神経細胞は死滅するが、残存する細胞でPS1の誘導が観察された。PS1は、脳虚血後に残存する神経細胞で誘導されることにより、神経細胞の生存あるいは侵襲に対する再生に関与することが示唆された。
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