研究課題/領域番号 |
09670991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
牛島 逸子 山口大学, 医学部, 助手 (30168679)
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研究分担者 |
山田 通夫 山口大学, 医学部, 教授 (00034942)
秋元 隆志 山口大学, 医学部, 助教授 (80231827)
末次 正知 山口大学, 医学部, 助手 (40294631)
河野 通英 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (60284254)
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キーワード | コカイン / 反復投与 / 薬物離脱 / コレラトキシン / Gs-蛋白リボシル化 / Clozapine / Risperidone / マウス |
研究概要 |
Cocaine(10,20mg/kg s.c.)を1日1回15日間マウスに投与し、最終投与の15日後にみられるSCH23390(ドパミンD1受容体遮断薬:0.3mg/kg i.p.)によって生ずるカタレプシ-反応の増強効果(ドパミンD1受容体のSubsensitivity)はCholera toxin(10-100μg/kg i.v.)投与によってさらに増強されたが、ドパミンD2受容体遮断薬であるHal operidolによって生ずるカタレプシ-反応には影響を示さなかった.これらの結果から、Cocaine離脱後期に見られるD1受容体の感受性の低下にGs-蛋白質のADP-リボシル化が関与しているかも知れない.また、分裂病の陰性症状に有効であると言われているClozapine(1-10mg/kg i.p.)およびRisperidone(0.1-0.5mg/kg i.p.)の単回投与は用量反応的にSCH23390によるカタレプシ-反応を増強した. さらに、Cocaine(10,20mg/kg s.c.)の最終投与の3日後には強制水泳による無動状態は抑制され、この抑制は1週間後まで持続した.Cocaine最終投与の15日後には無動状態は、逆に、増強した.離脱3日後の無動状態の抑制効果はClozapine(1-10mg/kg i.p.)およびRisperidone(0.1-0.5mg/kg i.p.)の単回投与により対照群のれべるまでに回復した.しかしながら、15日間離脱後の無動状態の増強作用に対してこれらの薬物はさらに増強効果を示した.したがって、ClozapineおよびRisperidoneの単回投与では、Cocaine反復投与離脱初期に見られるD1受容体の興奮に対しては抑制効果が認められた.また、離脱後期に生ずるD1受容体の抑制作用をさらに増強させる結果が得られた.
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