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1999 年度 研究成果報告書概要

アデニル酸シクラーゼ促進性ヒト5-HT4受容体の遺伝子構造ならびに機能調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 09671013
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 精神神経科学
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

松井 宏晃  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90181685)

研究分担者 廣井 朋子  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20238398)
研究期間 (年度) 1997 – 1999
キーワード5-HT_4受容体 / 5-HT_4受容体遺伝子 / 選択的スプライシング
研究概要

1.ヒト5-HT4受容体アイソフォームcDNAの翻訳領域断片をプローブに複数のゲノミッククローンを得、解析した。その結果、翻訳領域および3'非翻訳領域に対応する遺伝子領域はおよそ150 Kbであり、複数のイントロンが存在した。海馬、心臓、胎盤、小腸poly(A)^+RNAを用い、オリゴキャップ法により転写開始点の同定を試みたが、同定できず、5'非翻訳領域が予想以上に長い、あるいは非常にGCに富む配列を有する可能性が考えられた。
2.ヒト胎盤poly(A)^+RNAを用い、5'RACE法、inverted PCR法を繰り返し施行し、転写開始点を同定した。胎盤に発現している5-HT4受容体mRNAの5'末端は、翻訳開始コドンのアデニンから、およそ5200 bp上流に複数存在した。5'非翻訳領域に対応する遺伝子領域は、およそ550 Kbであり、複数のイントロンが存在していた。従って、ヒト5-HT4受容体遺伝子は、全長がおよそ700 Kbにもなる巨大遺伝子であり、合計33のエクソンから構成されることが明らかになった。
3.コアプロモーター領域は、典型的なTATAボックス配列を欠き、複数のSp1、AP-2結合配列、GT-rich配列を有していた。また、AP-1、CREB結合配列が存在しており、ヒト5-HT_4受容体遺伝子発現が、cAMPやカルシウムを介したシグナル伝達系の制御を受ける可能性が考えられた。さらに興味深いのは、複数のGATA結合配列が存在していたことである。転写因子GATAは、ファミリーを形成しており、GATA-1〜3は、血球系細胞および神経系に、GATA-4〜6は内蔵、特に心臓および腸管に高く発現している。これらGATAファミリーの発現部位とヒト5-HT_4受容体遺伝子発現部位は類似しており、ヒト5-HT_4受容体遺伝子発現がGATAファミリーにより制御されている可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Nagumo et al.: "Sequencing analysis of 5'-flanking region of the human β-amyloid protein precursor homologous protein gene."Biol.Psychiatry. 42. 92S (1997)

  • [文献書誌] Okawa Yoshinori et al.: "A cAMP response element in the human β 1-adrenergic receptor gene confers transcriptional autoregulation by cAMP."Neurosci.Res.. 21. S48 (1997)

  • [文献書誌] Yoshinori Okawa et al.: "Further characterization of the 5'-flanking promoter region of the human β 1-adrenergic receptor gene."Psychiatry and Clinical Neurosciences. 52. 453-458 (1998)

  • [文献書誌] 渡辺直樹 ら: "強迫スペクトラム障害(OCSD)の概念"臨床精神薬理. 3. 557-566 (2000)

  • [文献書誌] 松井宏晃,廣井朋子: "わかりやすい神経伝達物質の知識-セロトニンを中心に-"村崎光邦 編(ライフ・サイエンス社). 17 (1999)

  • [文献書誌] 廣井朋子,松井宏晃: "遺伝子の基礎知識 (運動分子生物学)"(山田茂,後藤勝正 編) ナップ. 26 (2000)

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公開日: 2002-03-26   更新日: 2016-04-21  

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