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1997 年度 実績報告書

老化に伴う糖代謝異常の発症機序の解明とNIDDMモデル動物の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09671022
研究種目

基盤研究(C)

研究機関群馬大学

研究代表者

宇都木 敏浩  群馬大学, 医学部, 教務員 (10282386)

研究分担者 永井 良三  群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
キーワード老化 / 老化抑制遺伝子 / Klotho / 糖尿病 / グルコーストランスポーター
研究概要

1 老化マウスでノックアウトされた遺伝子の同定
本老化マウスは、全く新しいタイプのモデル動物である。本マウスはNa/H逆輸送担体を過剰発現するトランスジェニックマウスの開発過程で生まれた。Na/H逆輸送担体cDNAの導入にプロモーターとして用いたヒトelongation factor-1 a をプローブとしてマウス遺伝子ライブラリーより、欠失部のクローニングに成功、この部位よりエクソントラップ法を用いて塩基配列を決定した。この遺伝子(Klothoと命名)は、腎臓、動脈、肺等で発現し、β-glucosidaseと40%のホモロジーを示す2つのドメインをもつ膜貫通型の新規遺伝子である。glucosidaseドメインの一方は植物界のβ-glucosidaseに、他方は細菌のβ-glucosidaseに類似する。以上の研究結果は1997年11月にNature誌に発表された。
2 老化モデルマウスにおけるインスリン感受性亢進の機序の解明
(1)本老化モデルマウス(Klotho欠損マウス)においてインスリン合成、分泌が低下しているにもかかわらず比較的血糖が低値に維持されている機序として、筋肉における糖取り込みの亢進が推測される。そこで糖取り込みの第一段階であるグルコーストランスポーター(Glut4)の発現をノーザンブロッテイング、ウエスタンブロッテイングで検討した。予想通りKlotho欠損マウスにおけるGlut4の発現は、対照群(野生型)に比べて増強していた。
(2)Tumor necrosis factor-a(TNF-a)はインスリン受容体のインスリン刺激性自己リン酸化とIRS-1のリン酸化を抑制することにより、インスリン抵抗性を引き起こす。本老化モデルマウスでは、組織学的に脂肪組織が極めて少ないことが明らかとなり、その結果、インスリン感受性が亢進していると考えられる。
以上の結果は現在、投稿準備中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kuro-o-M, Utsugi T., Nagai R., at al: "Mutation of the mouse Klotho gene leads to asyndrone resembling ageing" Nature. 390. 45-51 (1997)

  • [文献書誌] 宇都木 敏浩: "動脈硬化と糖尿病の発症を共通に制御する老化遺伝子の解明" 成人病の研究. 16巻. 28-29 (1997)

  • [文献書誌] 大山良雄, 宇都木 敏浩ら: "老化抑制遺伝子(Klotho)欠損マウスにおける糖代謝と脾分泌機能の検討" Diabetes Frontier. (予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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