研究概要 |
対象としたヒト正常副腎、副腎非機能性腺腫、アルドステロン産生腺腫、コルチゾール産生腺腫からDNAを抽出し、G蛋白の遺伝子異常の有無を検討するために、Gs,Giの各エクソンに対応するプライマーを用いてPCRを行い、直接シークエンス解析法によるDNA解析を行った。今回対象とした組織にはG蛋白の遺伝子異常は認められなかった。次に各組織からメッセンジャーRNA(mRNA)を抽出し、蛍光ディファレンシャルディプレイ法によりホルモン産生腺腫に特異的に発現する遺伝子のクローニングを行った。抽出したRNAと蛍光標識した3'アンカーオリゴdTプライマー(アンカープライマー)を用いて逆転写酵素により選択的逆転写を行った。任意プライマーを用いてPCRによる増幅を行い、増幅産物を電気泳動し発現量の異なるバンドを得た。アルドステロン産生腺腫に強く発現しているバンドをゲルから切り出し、ゲル断片をPCRにより増幅し、エタノール沈殿により断片を回収した。T-ベクターを用いて断片をクローン化し、各コロニーの一部をPCRにて増幅し、増幅されたインサートを元のフィンガープリントと並べて電気泳動し、目的のバンドとco-migrateするインサートをもったトランスフォーンマントを同定した。
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