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1998 年度 実績報告書

膵B細胞のカルシウムシグナリングと糖尿病におけるその異常

研究課題

研究課題/領域番号 09671042
研究機関香川医科大学

研究代表者

田港 朝彦  香川医科大学, 医学部, 教授 (90107954)

研究分担者 沖 隆  浜松医科大学, 医学部, 助手 (20169204)
キーワードCD38 / 膵島細胞 / インスリン分泌 / D-glucose / 〔Ca2+ 〕i / 糖尿病
研究概要

膵島細胞においてCD38が細胞内カルシウムシグナリングに関与している可能性について検討した。
培養したMin6細胞に、抗CD38抗体-FITC標識二次抗体によって蛍光染色したところ,蛍光はMin6細胞の細胞表面(びまん性、あるいはクラスター状)に,一部は細胞質内にも認められた。抗CD38抗体処理によってD-glucose(20mM),D-mannose(20mM),L-arginine(10mM),a-ketoisokaproic(10mM),carbamylcholine(100mM),Glucagon(1mM),Forskolin(10mM)などなどによるインスリン分泌が強く抑制された。しかしながら,Glibenclamide(1mM)によって促進されたインスリン分泌は抗CD38抗体処理によって抑制されなかった。Fura2蛍光による[Ca2+]iの観察を行ったところ,抗CD38抗体処理はD-glucose,carbamylcholineによる[Ca2+]i上昇を抑制し,逆にGlibenclamideによるそれは増強した。Alloxan,ninhydrinなどの膵B細胞毒は,D-glucoseと類似するもののオッシレーションを伴わない[Ca2+]iの上昇を起こし,このような[Ca2+]iの上昇がB細胞DNAの細断化(Fragmentation)を惹起して,死(アポトーシス)を誘発した。抗CD38抗体処理はalloxan、ninhydrinなどの膵B細胞毒による[Ca2+]i上昇を抑制した。
さらに、糖尿病においてCD38に対する自己抗体が出現するか否かについて検討した。
IDDMのモデル動物であるNODマウスにおいては、膵島炎が出現する7-10週齢では約80%に抗CD38抗体が見られた。
以上の事実から,CD38〜ADP-ribosyl cyclase-cADPR系は膵島細胞内カルシウムシグナリングに関与し,インスリン分泌における情報伝達系の重要な一部を担っていること、さらに、糖尿病の発症にも関与する可能性が推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田港朝彦: "Glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体遺伝子" 糖尿病1.日本臨床社刊. 432-436 (1997)

  • [文献書誌] 田港朝彦: "Fatty acid binding protein-2(FABP-2)遺伝子" 糖尿病1.日本臨床社刊. 437-441 (1997)

  • [文献書誌] 田港朝彦: "CD38(ADP-ribosyl cyclase)とインスリン分泌" 糖尿病2.日本臨床社刊. 880-887 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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