研究課題/領域番号 |
09671060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉本 利嗣 神戸大学, 医学部, 助手 (00226458)
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研究分担者 |
千原 和夫 神戸大学, 医学部, 教授 (00107955)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 副甲状腺ホルモン / エストロゲン / インスリン様成長因子 / インスリン様成長因子結合蛋白 / 骨形成 / 骨吸収 / CAMP依存性プロテインキナーゼ / 閉経後骨粗鬆症 |
研究概要 |
副甲状腺ホルモン(PTH)は間欠投与によりanabolic actionを示すことが知られているが、その機序の詳細は不明であった。今回の研究よりPTHのanabolic actionの機序にIGF-Iと共にIGF結合蛋白-5が関わっていることを示した。またPTHのC端側も一部anabolic actionに関わっていることを示した。さらに内因性PTH過剰を呈する原発性副甲状腺機能亢進症の臨床的検討より、内因性PTHの急激な低下がPTHのanabolic actionの作用発現に極めて重要な役割を担っていることを示した。一方、PTHとエストロゲンの相互作用に関しては、今回の研究においてエストロゲンはPTHにより促進された破骨細胞形成を抑制することを見い出した。そこでこの機序について詳細に検討した結果、stromal cellやwhole bone cellにおいて、PTHは破骨細胞分化抑制因子であるosteoprotegerinの発現を抑制するのに対し、エストロゲンはcAMP依存性プロテインキナーゼ系に作用することによりこのPTH作用を阻害することを見い出した。また破骨細胞前駆細胞にはPTH受容体のみならずE受容体が存在し、EはcAMP依存性プロテインキナーゼ系に作用することによりPTHの破骨細胞形成促進作用を抑制することも見い出した。以上、stromal cellや破骨細胞前駆細胞におけるPTHとエストロゲンのこれらの相互作用がエストロゲン欠乏による破骨細胞新生亢進の機序に重要な役割を担っているものと考えられる。今回の研究結果はPTHの骨形成促進機序、閉経後骨粗鬆症の病態生理そしてPTHとエストロゲンの骨粗鬆症治療薬としての作用機序の解明につながるものと考えられる。
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