研究課題/領域番号 |
09671062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
高原 二郎 香川医科大学, 医学部, 教授 (00033085)
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研究分担者 |
新見 道夫 香川医科大学, 医学部, 助教授 (80164523)
徳田 道昭 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00188731)
藤田 次郎 香川医科大学, 医学部, 助手 (80209056)
佐藤 誠 香川医科大学, 医学部, 助手 (10215840)
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キーワード | ステロイド / 成長ホルモン / 骨塩量 / DEXA法 / IGF-I / コレステロール / リンパ球 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
【目的】今年度は、大量のステロイドによって生ずる種々の副作用が、成長ホルモン(GH)投与によって軽減されるかどうかについて、ラットを用いて検討を加えた。 【方法】8週令の雄ラットにデキサメサゾン(Dex,50μg/day)を浸透圧ミニポンプを用いて4週間、持続皮下投与し、また、この間にGH(0.5U/day)を併用投与した。4週間後に、骨塩量、血中脂質、リンパ球のCDマーカーについて検討を加えた。 【結果】Dexの4投与によって、DEXA法によって測定した全身の骨塩量及び大腿骨の骨塩量は著名に減少した。GHの併用投与を施行したラットでは、骨塩量は軽度に増加する傾向が認められた。血中のカルシウム濃度はDex投与によって明らかに低下したが、GHの併行投与群では血中カルシウム濃度は上昇した。また、Dex投与により血中のIGF-I濃度は著名に低下したが、GH併用投与によってIGF-Iの有意の上昇が見られた。血中脂質では、Dex投与により血中総コレステロール値は著名に上昇したが、GH併用投与によって有意な変化は認められなかった。免疫系では、ラットの脾臓よりリンパ球分画を単離し、フローサイトメトリーを用いてリンパ球の表面マーカーを解析した。Dex投与によってリンパ球の絶対数が激減したため、GH併用投与の効果については判定が困難であったが、GHによってCD4/CD3比が若干上昇する傾向が見られた。血中の免疫グロブリンは、Dex投与により顕著に減少したが、GHの併用投与により明らかな効果は認められなかった。 【考察】GHの併用投与によって大量のステロイドによる骨塩量減少や血中IGF-Iの低下に対してある程度の抑制効果は得られたが、免疫系への影響についてはステロイドの作用が強力であったため、GH併用投与の効果判定が困難であった。今後、ステロイドの用量を変えて、GH投与の効果についての検討をさらに加えてゆく予定である。
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