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成長ホルモン(GH)の分泌は哺乳類において拍動性に認められる。ラットではこの拍動性分泌に雌雄差があり、アンドロゲンによって雄型の超日リズムが形成される。一方、GHは視床下部神経細胞の活動を修飾して自己の分泌を調節する可能性が指摘されている。分泌リズムとフィードバック機構がGHの分泌パターンを規定するといえる。本研究では、(1)GH分泌の超日リズムに与えるアンドロゲンの効果、(2)GHの視床下部作用がGH分泌促進因子(GRF)細胞に直接作用してGRFの分泌を修飾するか否か、について検討した。
成熟雌ラットに卵巣摘除術を施し、ジヒドロテストステロン(DHT)0.5mgを皮下投与してGHの分泌パターンを観察した。不規則で基礎値の高い雌型の分泌パターンは投与後約6時間で3時間周期の規則的で基礎値の低い雄型の分泌パターンに変化した。GHの分泌リズムを形成するペースメーカーはアンドロゲン感受性が強く、かつ短時間のうちに性ステロイドに反応して変化しうることが明らかとなった。今後、アンドロゲン感受性を示し、かつGH分泌に影響する脳内部位を検討してゆく予定である。
GRF細胞は視床下部弓状核に局在している。弓状核にラットGH0.5μgを局所投与すると、GHの分泌は約12時間にわたり抑制された。この抑制は、ソマトスタチン抗血清の全身投与によって解除された。ヒトGHを静脈内に持続投与するとGH分泌は抑制されたが、この抑制は視床下部基底部前側方離断術によって向下垂体性ソマトスタチンの影響を遮断すると認められなくなった。以上の観察から、GHは直接GRF細胞に作用して自己の分泌を抑制することはないと考えられた。
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