研究課題/領域番号 |
09671084
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
矢野 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30288576)
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研究分担者 |
城森 孝仁 三和化学研究所, 創薬研究部, 課長
山田 祐一郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60283610)
清野 進 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80236067)
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キーワード | GIPシグナル伝達 / インスリン抵抗性 / インスリン分泌 / 高脂肪食負荷 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
GIPはグルカゴン、セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンで、インクレチンとして膵β細胞からのインスリン分泌を促進することが知られている。糖尿病患者やGKラットではGIPに対するインスリン分泌障害が認められ、GIPの糖尿病発症への関与が注目されている。我々は、GIPのシグナルを遮断すべくGIP受容体欠損マウスを作成し、このマウスはOGTTにて耐糖能異常を認めることを既に報告した。今年度は特に、高脂肪食飼育によるインスリン分泌および血糖への影響について検討した。野生型マウスおよびGIP受容体欠損マウスに3週間高脂肪食で飼育し、食餌負荷試験を行った。野生型マウスでは、通常食飼育群、高脂肪食飼育群共に血糖曲線に有意な差を認めず、血中インスリンは高脂肪食飼育群において有意に高値であった。従って、高脂肪食飼育によりインスリン抵抗性とそれを代償するインスリン分泌の亢進が惹起されたと考えられた。一方、GIP受容体欠損マウスでは、通常食飼育群に比し高脂肪食飼育群で血糖はより上昇し、血中インスリンは野生型マウスで認められたインスリン低抗性を代償するインスリン分泌の亢進がほとんど認められなかった。GIPシグナル伝達の障害は、インスリン分泌を促進することができないため高脂肪食飼育によるインスリン抵抗性は代償されず、血糖恒常性の破綻につながることをはじめて明らかにした。すなわち、2型糖尿病患者で見られるGIPシグナル伝達の障害は糖尿病の病因に一役を担っているものと考えられる。
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