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1998 年度 実績報告書

造血器腫瘍の遺伝子異常をターゲットとしたアンチセンス療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09671094
研究機関東京大学

研究代表者

前川 平  東京大学, 医科学研究所, 講師 (80229286)

研究分担者 村上 章  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
キーワードアンチセンス / 造血器腫瘍 / 白血病 / 遺伝子異常 / 細胞治療
研究概要

本研究では、白血病細胞の特異的再構成遺伝子に対するアンチセンス核酸分子(ASODN)を用いてその増殖を抑制しうる可能性を探るとともに、低濃度での配列特異的な作用発現にはどのようなAS分子の設計が必要なのか、選択的に腫瘍細胞の増殖抑制を図るためには、どの遺伝子配列を標的にすべきなのか検討した。ホスホロチオエート型ASODNを用いた実験系では、分子自体が非特異的に蛋白質と結合したり、Bリンパ球を非特異的に刺激するなどの非特異的作用を示し、観察された細胞生物学的な現象が真にアンチセンス作用によるものか、アプタマー効果などの非アンチセンス作用によるものか慎重に検討する必要があった。今回、われわれが検討したキメラ型分子はこれらの非特異的な作用が少なく、ヌクレアーゼによる分解にも耐性で、有効でかつ塩基配列特異的なアンチセンス核酸分子として機能することを本研究で示すことができた。また、このキメラ型アンチセンス核酸分子をもちいて従来の報告とは異なるBcl-2の標的配列を決定することができた。さらに、抗アポトーシス作用を有すると考えられるBCR-ABL, c-myc,Bcl-2に対するキメラ型アンチセンス核酸分子をもちいて、これらの増幅、あるいは活性化されている遺伝子の発現を制御することにより、白血病細胞の増殖が抑制され、その機序はアポトーシスの誘導であることを示すことができた。これらのアポトーシス誘導はテロメラーゼ活性の抑制によるものと考えられるが、現在この機序についてさらに検討中である。腫瘍細胞においてBcl-2の発現を抑えることでテロメラーゼ活性が抑制されることが明らかになれば、造血幹細胞移植を併用したあたらしい分子標的治療法の開発につながると期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kishi,K et al.: "Hematopoietic cytokine-dependent differentiation to escsinophils and neutrophils in a newly established・・・" Exp.Hematol.26. 135-142 (1998)

  • [文献書誌] Nishihara,M etal: "A combination of stem cell factor and gronulocyte colony-stimulating factor enhances the growth of humen・・・" Eur.J.Immunol. 28. 855-864 (1998)

  • [文献書誌] Chikayama,S et al.: "Effects of daunorubicuir on cell growth,cell cycle and induction of aprptosis in HL-60 cells" Hematologia. 29. 115-121 (1998)

  • [文献書誌] Hashiramoto,A et al.: "Induction of apoptosis and Fas downregulation by c-myc antiseral oligodeoxynucleotides in rheume・・・" Arthrit Rheumatism. 印刷中. (1999)

  • [文献書誌] 前川 平 他: "B細胞分化" 血液・免疫・腫瘍. 4. 31-39 (1999)

  • [文献書誌] 前川 平: "がんの遺伝子治療とアンチセンス治療" 治療. 81. 865-870 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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