• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

サイトカイン受容体を介した血小板内MAPキナーゼ系の制御とクロストークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09671109
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

高山 博史  京都大学, 医学研究科, 助手 (10197220)

キーワードトロンボポエチン / 血小板 / MAPキナーゼ / プロテインキナーゼC / 細胞骨格
研究概要

トロンボポイエチン(TPO)は血小板を直接活性化しないが他刺激による凝集および放出反応を亢進させることを既に明らかにしてきた。このことは、TPOのシグナルが凝集に至る血小板内のシグナルとクロストークを起こし亢進させていることを示唆した。そこで血小板内のMAPキナーゼ系に着目し、TPOの作用を検討したところ、MAPキナーゼカスケードのうちTPOはShc-Ras-Rafまで活性化するがその下流のMEK,ERKは活性化しないことを見出した。一方で、MEKとERKはトロンビン(Th)やホルボールエステル(PMA)によりプロテインキナーゼC(PKC)依存性に活性化されたが、この活性化はTPOによりいずれも亢進した。しかし、この時PKCの活性化自体は亢進しなかった。従ってTPOは主としてPKCに依存したMEKの活性化をPKCを介さずに亢進させることによりMAPキナーゼ系を亢進させることが明らかになった。MEKの阻害剤であるPD098059(PD)を用い、ThやPMAによる血小板凝集およびTPOによる亢進作用に及ぼすPDの影響をみたところ、PDはTh やPMAによる血小板凝集に影響を与えず、またTPOによる亢進作用にも影響しなかった。従って、TPOはMAPキナーゼ系とクロストークするものの、この作用は直接血小板凝集に関与しないと考えられた。MEKとERKは未刺激血小板では可溶画分に存在したが、血小板凝集時にはアクチン重合に依存して細胞骨格へと移行した。従って、TPOとMAPキナーゼ系とのクロストークはERKに制御される細胞骨格の機能に何らかの関わりを持つ可能性が示唆された。TPOのクロストークとその機能を明らかにする為、引きつづいてもう一つのMAPキナーゼファミリーであるp38MAPについても同様の検討をする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Ezumi & H.Takayama: "Thrombopoietin Potentiates The Protein Kinase C-mediated Activation of Mitogen-activated Protein Kinase/ERK Kinase and ......" Blood. (発表予定).

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi