研究課題/領域番号 |
09671112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
富山 佳昭 大阪大学, 医学部, 助手 (80252667)
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研究分担者 |
本田 繁則 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 教授 (20177489)
倉田 義之 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (80127224)
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キーワード | αIIbβ3 / インテグリン / 血小板 / NCX / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究では、われわれがαIIbβ3活性化のinside-outシグナル伝達分子として同定した血小板Na^+/Ca^<2+> exchanger(NCX)の構造および機能を解明するとともに、リガンド結合による構造変化とoutside-inシグナルを含む血小板機能との連関を明らかにすることを目的とした。 血小板NCXに関してはそのcDNAのクローニングを行い、血小板NCXは心筋NCXとは異なるalternative splicingをうけ、心筋のBCDEF typeとは異なりBD typeであることを明らかにした。さらに、心筋NCXは分子量120kDであるが、血小板NCXは60kDと小さく、現在この差異を発現実験にて検討中である。NCXとαIIbβ3の機能連関に関しては、心筋型NCXを用いた予備実験段階ではあるが、キモトリプシン処理によりαIIbβ3が活性化するとの成績が得られている。 一方、既知および新規合成アンタゴニストを用いてαIIbβ3上のリガンド結合後の構造変化(Ligand-induced binding sites ; LIBS)の誘導能の検討にて、アンタドニストがαIIbとβ3の両者のLIBSを発現させるGroup IとαIIbのみLIBSを発現させるGroup IIに分類させること、さらにGroup IのみがαIIbβ3依存性のトロンボキサンA2の産生を介して血小板の細胞内Caイオン濃度を上昇させることを明らかにした。本研究で得られた成績より、LIBS発現(特にβ3上)とoutside-inシグナルが密接に関連していることが明らかになった。
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