研究概要 |
1)TCRVβ鎖のjunctional diversityの検討: TCRVβ鎖のjunctional diversityがpolyclonalであることをRT-PCRを用いて測定し,スーパー抗原の関与を確認する.方法はRT-PCRを用いて,TCRVβ鎖のjunctional regions(CDR3)の塩基配列を決定し,junctional diversityの有無を検討した. 患者のPBLにおけるJunctional diversityはpolyclonal,polyclonal+ologoclonalのpatternを呈し,採血するstageにより異なることが判明した.これは患者におけるPBLにおいて,スーパー抗原を介したものに加え,特異抗原を認識していることを示唆している. 2)culture系を用いたTCRVβ陽性CD4+細胞の役割の検討: TCRVβ陽性CD4+細胞の役割をin vitroのculture系を用いて、細菌性スーパー抗原によるIg産生調節機構の検討. (1)in vitroの短期培養(10日間)の結果では、正常リンパ球+SEs培養結果、SEの種類により幾つかのTCRVβ陽性CD4陽性細胞が著増・著減することが判明し、その後はIL-2R陽性DR陽性など活性化CD4細胞が著増することが判明した. (2)またTh1タイプサイトカインは早期に(2-6日),Th2タイプサイトカインは培養後期に増加することが判明し、これらはSEsの種類には無関係である. (3)IL-2R陽性Tα、Tγ細胞は前値に比して数倍以上に増加し、IGA、IgG産生B細胞をHELPすることが判明した. 3)免疫複合体の抗原系の検討: 糸球体に沈着している,あるいは血漿交換療法で得た試料をもとに,沈着している免疫グロブリンを抽出し,含まれるEluate中,あるいは循環中の抗原の検索を行い,本免疫複合体がMRSA抗原特異的か非特異的かについて検討した. (1)サンドイッチELISAを用いた系で、循環免疫複合体中に各種SEsからなる免疫複合体を検出した.現在western blot法にて確認中である. (2)精製循環免疫複合体をマウスに投与することにより、受身血清病腎炎の系にて糸球体内局在・炎症惹起性を確認した.
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