研究課題/領域番号 |
09671153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
坂本 尚登 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80187046)
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研究分担者 |
河崎 雅暢 東京医科歯科大学, 医学部, 日本学術振興会特別研
内田 信一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50262184)
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キーワード | クロライドチャネル / ClC-5 / CLCN5 / 腎臓 / モノクロナール抗体 / ゲノムDNA / Dent病 |
研究概要 |
多彩な腎機能障害を呈する3つの異なる遺伝性腎疾患(Dent病、X染色体連鎖劣性腎臓結石、X染色体連鎖劣性低リン酸血症性くる病)との関わりが注目されているクロライドチャンネルClC-5について、これらの疾患の病態発症機序にClC-5チャンネルの分子異常が如何に関係しているかを明らかにする目的で、遺伝子および蛋白レベルの両面から検討している。 まず、ClC-5のヒト腎臓における局在を明らかにしタンパクレベルでの解析を可能にするために特異的な抗ClC-5抗体の作成を試みた。抗体の種類はエピトープの解析が可能なモノクロナール抗体を選択した。合成ぺプチドで感作したラットのリンパ節からリンパ球を単離してミエローマ細胞と融合を行ない、抗体価の高いウェルを培養上清と合成ぺプチドのELISAと凍結ヒト腎臓切片の免疫組織染色性でスクリーニングして最終的に4種類(SS51、SS52、SS53、SS54)のモノクロナール抗体を得た。作成した抗体のサブクラスはSS51(IgM)、SS52(IgG2b)、SS53(IgG2a)、SS54(IgG2b)であった。これらの抗体の特異性については、1)ClC-5の安定的発現培養細胞の免疫組織染色およびウェスタンブロッティング、2)大腸菌でtagを挿入して作成したClC-5の組み換えタンパクを用いたウェスタンブロティング、および3)作成した抗体のClC-5のサブファミリーとの交叉反応等で確認した。現在、凍結ヒト腎臓切片の免疫組織染色を行ないClC-5のヒト腎臓における細胞レベルでの局在を検討中である。なお、ヒト腎臓から調製した膜タンパクを用いたウェスタンブロッティングでClC-5の推定分子量にほぼ一致するバンドを得ている。今後、各々の抗体についてはエピトープ解析を行い抗体の特異性についてさらに検討する。なお、遺伝子面では家族性の低分子蛋白尿症の6家系についてCLCN5のゲノムDNA解析を行いナンセンス変異、ミスセンス変異および欠損を同定し、一部の症例でクロライドチャネルの機能異常を確認した。今後さらに分子構造と機能異常との関連性につき解析する。
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