研究概要 |
CLC-5クロライドチャネル遺伝子の異常が、低分子蛋白尿症を引き起こすこと、当初指摘されていた腎結石の原因遺伝子という認識より、この遺伝子異常の第一の症状は、低分子蛋白尿症であるべきであることを報告した。 一方、CLC-3,4,5クロライドチャネルの生理的機能を探る上で、in vitroの系では、テトラサイクリン制御システムを導入し、その発現をコントロールすることで、機能解析を進める予定である。例えば、CLC-5においては、インドサイトーシスに何らかの関与が推定されているが、もともとCLC-5発現の無いCHO細胞にCLC-5を過剰発現させたときに、エンドサイトーシス機能にどのような変化が現れるかを検討する。その第一段階として、おのおののクロライドチャネルの発現細胞を確立した。また、これらのクロライドチャネルが生理的に大量に発現している細胞で、その発現をなくしたときに細胞機能にどのような影響を与えるかを評価するため、アンチセンス法なども検討している。しかしながら、よりはっきりと評価を下すために、これらクロライドチャネルのノックアウトマウスを作成すべく、タ-ゲチィングベクターの作成を進めている。 ヒト電解質代謝異常と腎臓特異的クロライドチャネルCLC-K1,K2との関連を探るため、その遺伝子解析を迅速に行うための方法を確立した。これら2つの遺伝子は、相同性が高く解析が困難であるが、各々18存在するエクソンすべてに対して、K1,K2特異的に増幅できるPCRプライマーの作成を完了した。
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