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1998 年度 実績報告書

蛋白尿による尿細管質間障害の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09671160
研究機関名古屋大学

研究代表者

松尾 清一  名古屋大学, 医学部, 講師 (70190410)

研究分担者 西川 和裕  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30301625)
湯沢 由紀夫  名古屋大学, 医学部, 助手 (00191479)
キーワード尿細管間質障害 / 進行性賢障害 / 蛋白尿 / 補体 / アシドーシス / 糖尿病性賢症 / ヒト賢疾患
研究概要

昨年度の動物実験の結果に基づいて、実際の腎臓病患者において(1)尿蛋白中の補体が活性化され尿中に出ているか、(2)どのような腎疾患患者で尿中補体活性化産物が多いか、(3)慢性腎不全患者でアシドーシスのある患者に重層投与を行った場合尿中補体排泄は軽減されるか、の3点につき検討を行った。その結果、以下のようなデータを得た。(A)尿中補体活性化産物の指標としてiC3b、Bb(いずれもC3レベル)、MAC(C9レベル)を測定した。これらは正常人では尿中には検出されない。(B)全体としてはこれらの補体活性化産物の尿中排泄量は蛋白尿の量に比例するが、個々の腎疾患で見ると蛋白尿があっても微小変化型ネフローゼ(MCNS)では補体活性化産物の尿中排泄は極めて低レベルであり、巣状糸球体硬化症(FGS)や糖尿病性腎症では三つとも高レベルであった。(C)膜性腎症ではiC3b、Bb(C3レベルの活性化産物)は低レベルにとどまるのに対し、C9レベルの活性化産物(MAC)は高レベルで乖離が見られる。(D)腎不全患者では尿中補体活性化産物の排泄が増えているが、重層でアシドーシスを是正すると有意に尿中排泄量が減少する。また、尿中補体活性化産物の排泄量は血中補体活性化産物の多寡とは無関係である。以上のことから、(i)ヒトにおいても大量の蛋白尿が持続すると尿中で補体が活性化され、活性化産物の少なくとも一部は尿中に排泄され測定可能である。(ii)また、MCNSを除けば予後不良とされるFGSや糖尿病性腎症で尿中排泄量が多く病型判定にも役立つと考えられた。 (iii)さらにアシドーシスを是正することによって尿中補体活性化産物を減少させることが可能であり、腎障害の進行を遅らせる治療法となりうろことが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Matsuo S: "Proteinuria and damage to tubular cells-is complement a culprit?" Nephrology Dialysis Transplantation. 13. 2723-2726 (1998)

  • [文献書誌] Matsuo S: "Complement mediated renal injury." Clinical and Experimental Nephrology. 2. 276-281 (1998)

  • [文献書誌] Nishikawa K: "Tissue distribution of the guinea pig decay accelerating factor." Immunology. 95. 302-307 (1998)

  • [文献書誌] Mizuno M: "Inhibition of a membrane complement regulatorv protein by a monoclonal antibody induzes acute lethal shock in rats primed with lipoplysaccharide." Journal of Immunology. 掲載予定.

  • [文献書誌] 松尾 清一: "補体制御因子と間質病変" 総合臨床. 47. 2281-2285 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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