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1997 年度 実績報告書

進行性腎障害進展過程における細胞形質変化機序の遺伝子レベルでの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09671165
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

守山 敏樹  大阪大学, 健康体育部, 講師 (30283815)

研究分担者 三輪 岳志  大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助教授 (20174229)
今井 圓裕  大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
安東 明夫  大阪大学, 健康体育部, 教授 (00028656)
キーワード平滑筋αアクチン / myofibroblast / トランスジェニックマウス / メサンギウム細胞
研究概要

本研究の目的は、トランスジェニックマウスを利用したプロモーター解析の手法を用いて、myofibroblast化の代表的マーカーであるSMαAの発現制御機構を腎疾患モデルを作成してin vivoで検討することにあるが、平成9年度は、3系統のトランスジェニックマウスの作成、その正常状態でのトランスジーンの発現を中心に解析した。また、培養メサンギウム細胞は内因性のSMαAを発現することが知られており、myofibroblast化したin vivoのメサンギウム細胞との共通性が指摘されているため、メサンギウム細胞myofibroblast化の機序解明の一つのアプローチとしてこれら3系統のトランスジェニックマウスから糸球体を単離後、メサンギウム細胞を初代培養し内因性SMαAとの比較を行った。トランスジーンとしてE4.7-CAT,-128int-CTABH-CAT(intron1部分欠失)の3種類のコンストラクトを作成した。トランスジェニックスマウスは、マウス受精卵にinfusion法でトランスジーンを導入して作製し、生まれたマウスへのCAT遺伝子の組込みをgenomic PCRで確認した。CATの蛋白およびmRNAの発現はCAT assay,in situ CAT assay,免疫組織化学,RT-PCR,Northern blottingにより、一方SMαAの蛋白およびmRNAの発現は免疫組織化学,Northern blottingにより検討した。培養メサンギウム細胞は糸球体単離後、RPMI1640+17%FCS培地で培養した。
1.正常組織におけるCATの発現検討では、免疫組織化学およびin situ CAT assayの結果、E4.7-CAT,-128int-CATでは内因性のSMαAと同様に血管および内蔵平滑筋特異的なCAT蛋白の発現を認めた。BH-CATでは平滑筋特異的なCATの発現は認められなかった。いずれのマウスも正常腎糸球体、腎間質にCATの発現を認めなかった。
2.培養メサンギウム細胞におけるCATの発現に関しては、培養14日のメサンギウム細胞を用いたRT-PCRおよびCAT assayより、作製した3種類のトランスジェニックマウスではすべてCATの転写が起こっており、またBH-CATを含めて、すべてintron1でスプライシングが生じていることを確認した。CAT assayで測定した転写活性は、E4.7-CATに比して、-128int-CATは約1/13、BH-CATは約1/60であった。CAT免疫組織化学では、E4.7-CAT,-128int-CATでは内因性のSMαAと同様にメサンギウム細胞に特異的なCAT蛋白の発現を認めた。BHでは明らかなCAT蛋白の染色は検出されなかった。以上から、intron1には、平滑筋特異的SMαA発現およびメサンギウム細胞myofibroblast化において重要な調節領域が存在することが示された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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