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1997 年度 実績報告書

フィブリン形成機構の糸球体腎炎発症への関わり,特に接着分子としての分子機作の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09671174
研究種目

基盤研究(C)

研究機関自治医科大学

研究代表者

朝倉 伸司  自治医科大学, 医学部, 講師 (70245033)

キーワードsoluble fibrin-monomer / fibrin-monomer / mesangial cell / cell adhesion
研究概要

今回科学研究助成金を頂き、我々は,Fibrinogen(Fbg)をThrombinで処理しFibrin clotを得、2M NaBr液に溶解しFibrin monomer(FM)とし、FMの重合を阻止するためGPRP-peptide(0.5mM)含有TBSを用い、Fbn-monomer(FM)を固相化する新しいアッセイ系を開発した。このアッセイ系での細胞接着活性は(1)RGD-peptideにより阻害された。(2)E-domain(Aα-16-R-C)のMutant Fbg由来のFMには細胞接着活性は認められなかった。以上の事実からFbgが細胞接着活性を発現するためには、Fbgの中央E domainを被覆するAα鎖C末領域(αC)がE domainより遊離し、E domainに連続して存在する接着活性中心の露呈が必須あることを示唆している。Soluble fibrin monomer complex(SF)は基本的にはFMと同様な立体構造上に、Fbg2分子が結合することにより、全く新しい特異的構造(neoantigen)が出現する。本研究室での共同研究者であるSoeらはSFに特異的に反応するモノクロナール抗体(JIF-43)を作製し、assay systemを確立した(Blood,88:2109-2117,1996)。
以上の事実をふまえてSFとFMとの構造相同性より、実際に炎症に伴い、出現するSFが、炎症の代表である、糸球体腎炎でどのような役割を演じているかを検討する目的で、培養メサンギウム細胞のSFへの細胞接着活性を測定した。驚くべきことに、SFはFMに比べて、著明な細胞接着活性がみとめられ、Aα鎖C末領域に存在するRGD細胞接着ドメインを欠損するFragment XとFM複合体には上記活性が認められず、SFでの細胞接着促進活性はFMに結合するFbg側に存在することが判明した。この事実を世界的科学雑誌であるJ.Biol.Chem.に投稿中である(J.Biol.Chem.submitted)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] MADOIWA,Seiji: "A battery of monoclonal antibodies that induce unique conformations to evolve cryptic but constitutive functions of plasminogen." J.Biochem.121. 278-287 (1997)

  • [文献書誌] ASAKURA Shinji: "Fibroblasts spread on immobilized fibrin monomer by mobilizing a β_1-class integrin,together with a vitronectin receptor αvβ_3 on their surface." J.Biol.chem.272(13). 8824-8829 (1997)

  • [文献書誌] ARAI,Koichi: "Role of the kringle domain in plasminogen activation with staphylokinase." J.Biochem.123. 71-77 (1998)

  • [文献書誌] MADOIWA,Seiji: "Effect of carbohydrate side chain of tissue-type plasminogen activator in interaction with plasminogen activator inhibitor 1." Fibrinolysis & Proteolysis.(in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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