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1998 年度 実績報告書

IgA腎症の成因と進展機序の究明

研究課題

研究課題/領域番号 09671176
研究機関順天堂大学

研究代表者

富野 康日己  順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)

キーワードFcレセプター / Fcレセプターr鎖 / 免疫複合体 / IgA腎症 / 馬杉腎炎 / レニン・アンギオテンシン系 / Fcレセプターr鎖ノックアウトマウス / クリアランス
研究概要

これまでにIgA腎症発症におけるIgA/IgA免疫複合体の役割を検討する目的で、培養メサンギウム細胞(MC)に発現するFcRの性質を解析したが、今回は腎炎におけるFcRの役割を検討した。1)我々は、既にFcRγ鎖ノックアウトマウス(γ(-/-))では、自然経過とともに糸球体メサンギウム領域に大量の免疫複合体(IC)が沈着することを報告している。今回は、糸球体に大量のIC沈着を認める54週令のγ(-/-)に対して、野生型マウスの骨髄を移植しその変化を検討した。末梢血のgenotypeが完全に入れ替わっても、炎症の惹起や、炎症性細胞の浸潤が起こらず、IC沈着量も不変であった。しかし,この骨髄移植したマウス(γW)とγ(-/-)にウサギ抗マウスIgG抗体を投与したところ、γWでは一過性に炎症が惹起され、2週後にはウサギIgG/ICが完全にクリアされたにも関わらず、γ(-/-)では不変であった。以上から、局所のICのクリアランスには、末梢血上のFcRが生理的にも重要な役割を果たしていることか考えられた。同時に、炎症の惹起にも関与し、それは単位時間当たりのICの暴露量にも影響を受けている可能性が示された。2)我々は、馬杉腎炎の発症において、FcRが鍵を握る分子であることを既に報告している。同時にFcR非依存性経路が存在し、それはrenin-angiotensin系(RAS)に関与していることも確認した。そこで今回は、angiotensin II type la receptorノックアウトマウス(AT1(-/-))とγ(-/-)の間で骨髄移植を行いキメラマウスを作製して検討した。即ち、腎臓がAT1(-/-)、末梢血がγ(-/-)であるマウスに馬杉腎炎の惹起を試みたが、炎症が一切惹起されなかった。このことから、馬杉腎炎の発症はFcRおよびRASに強く制御されていることが明らかにされた。今後はさらにFcR.RASに関与する責任細胞を特定し、詳細な病態解明を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yusuke Suzuki: "Distinct contribution of Fc receptors and angiotensin II-dependent pathways in anti-GBM glomerulonephritis" Kidney International. 54. 1166-1174 (1998)

  • [文献書誌] Yusuke Suzuki: "Expression and physical association of Fcα receptor and Fc receptor ganma chain in human mesangial cells" Nephrology Dialysis Trans plantation. in press. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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