目的および背景 前年度までの研究でAcoustic densitometryおよびsecondharmonics法での頭部虚血モデルでの血流の変化の評価は不十分であった。本年度は虚血の条件を変更することで、これらの方法が検査法として有効か否かを調べる目的で実験を行った。 対象 出生後36時間以内のブタ4頭 方法 1.5%アルブミン製剤をソニケーターにかけてmicrobubbleを発生させた。 2.ブタに全身麻酔を行い、以下の処置を行った。各ブタの頭部の骨の一部を除去し、echowindowを作成した。(1)2頭は両側の頚動脈を結紮したうえで、血圧を測定しながら、平均血圧が前値の65%以下になるまで脱血を行った。(2)2頭は両側の頚動脈を結紮したうえでPaCO_2が10mmHg以下になるまで人工呼吸器の条件設定を変更した。 3.上記の処置中、血圧、心拍数および近赤外光による脳Hb量の変化をモニタリングを行った。 上記の処置前から十分に脳虚血になったと判定した時期まで連続的にエコーのプローベをエコーウインドウに固定してIntensityの変化を記録した。部位は(1)両側視床(2)脳室周囲白質で5%アルブミンを静脈注射して測定を行った。 結果 各状態においていずれの部位においてもintensityの変化は一定しておらず、有意の変化は認めなかった。 考察 強い脳虚血負荷をかけたにもかかわらず、今回行った方法では脳虚血をとらえることはできないと結論した。更に検査方法を改良していく必要があると考えた。
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