研究課題/領域番号 |
09671196
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
池田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00193194)
|
研究分担者 |
徳村 光昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70172153)
佐藤 清二 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80146638)
|
キーワード | 胎児肺 / サーファクタント蛋白 / 肺上皮細胞 / 肺低形成 / 胎内MRI / SSFSE |
研究概要 |
1.胎内MRIを用いた胎児肺低形成の診断 胎児に肺低形成を合併しうる病態が想定された場合、超音波検査による肺胸郭断面積比や胸郭高躯幹長比などの指標が一般に使用されている。しかし、超音波検査は、胸腔内描出が困難、肺の全体像を把握しにくい、羊水過多・妊婦が肥満の場合に肺形成の定量評価が困難、術者の技術による差などが認められ客観性に乏しいという問題がある。低形成肺の胎内評価法としてSSFSE(single-shot fast-spin-echo)法を利用した高速MRIの有用性を検討した。SSFSE法を用いた胎内MRIは、肺容量を定量化でき、かつ質的診断も可能である。低形成肺の補助診断として胎内超音波より客観的な評価ができると考えられた。 2.実験的低形成肺小動物モデルの治療実験 ラット母獣の妊娠中期にnitrofen(2,4-dichlorophenyl-p-nitrophenyl ether)を投与すると横隔膜ヘルニアと肺低形成を生じることが知られている。我々はマウスを使用しnitrofen投与時期を今までの報告よりも0.5-1日遅らせることにより合併する横隔膜ヘルニアの合併率を減少させ、生後の経過が実際の新生児臨床の場でにおける低形成肺患児の病像と類似したモデルマウスが作成した。さらに、perfluorocarbonがこの実験的低形成肺の治療に有効であることを示した。 3.21週胎児肺上皮細胞の成熟度の解析 前年度に引き続き、同意を得た21週胎児肺組織の肺上皮細胞の成熟度を免疫組織化学と透過型電子顕微鏡を用いて評価した。妊娠21週においてはSP-B preproproteinからSP-B mature proteinへの細胞内でのprocessingが未熟であることが明らかになった。
|