研究課題/領域番号 |
09671201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
金岡 毅 福岡大学, 医学部, 教授 (50078755)
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研究分担者 |
雪竹 浩 福岡大学, 医学部, 講師 (70191476)
岩城 徹 九州大学, 医学部, 教授 (40221098)
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キーワード | 発達脳 / 脳損傷 / 低酸素性虚血性脳症 / 脳神経細胞 / 熱ショック蛋白 / mRNA / fos B |
研究概要 |
中枢神経系の選択的損傷における生化学的機構での脳神経細胞の増殖と分化に関与を調べる目的で、まず第1に実験モデルの開発を行なった。生後6日(脳発育ではヒト満期胎児相当)の新生仔ラットをエーテル麻酔下に一側の頚動脈を結紮し、麻酔回復後に33℃の恒温下に8%酸素-92%窒素を2時間吸入させ、15分間空気中においた後に母獣に返して哺乳させた。低酸素負荷後6〜72時間後に仔ラットをペントバルビタール麻酔下に経心臓潅流固定法により、最初は生理的食塩水、ついで4%パラホルムアルデヒド加りん酸緩衝生理的食塩水で潅流して殺した。脳を取り出し、同様の緩衝液に6時間固定した後に10%・20%・30%勾配スクロース液に浸軟した後、-80℃に保存し、10生日脳定位固定アトラスを参考にして、-20℃のクリオスタットで脳切片を得た。また酢酸エタノール固定液に一晩浸漬した後、パラフィン包埋し薄切を行なった。これら脳切片において、HRP72、HRP27およびfos Bの細胞内発現と局在を免疫組織化学染色法で同定し、さらにmRNAはin situハイブリダイゼーション法とノーザンブロット法で検出した。その結果、低酸素症に最も敏感な海馬錐体細胞および大脳皮質の一部の熱ショック蛋白の発現が高いことが証明された。ついで、これらの実験モデルを使用して、発達脳における酸化ストレスとDNA損傷の関係およびグルタミン酸代謝の異常がもたらす非可逆性損傷の機構を検討している。
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