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1998 年度 実績報告書

ヒトによるブタ膵ラ氏島の拒絶反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09671203
研究機関東北大学

研究代表者

里見 進  東北大学, 医学部, 教授 (00154120)

研究分担者 織井 崇  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20282048)
桜田 正寿  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40292320)
佐藤 成  東北大学, 医学部, 助手 (20250764)
土井 秀之  東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90188839)
藤盛 啓成  東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50238622)
キーワードブタ膵ラ島 / 異種移植 / 細胞性免疫 / NK細胞 / cytotoxic assay
研究概要

ブタ膵ラ島には異種移植の際の細胞性免疫に関して検討した。まず,無処理のヒト末梢血単核球を分離し,ブタ膵ラ島をtargetとしたCytotoxic assayを行ったところ,細胞傷害性を認めなかった。しかし,ブタ末梢血単核球をstimulatorとし,ヒトの末梢血単核球,細胞傷害性Tリンパ球(CD3_+,CD16_-,CD56_-)およびNK細胞(CD3_-,CD16_+あるいはCD56_+)をそれぞれeffectorとし混合リンパ球培養(MLC)を行い,ブタ膵ラ島細胞をtargetとしてcytotoxic assayを行った結果,すべてのeffectorで細胞傷害性を認めた。培養開始後3〜5日目の反応がもっとも強く認められた。NK細胞をeffectorとした際にIL2を加えることによりこの作用は増強した。また,ヒト末梢血単核球をeffectorとしたMLCの結果,NK細胞の割合および数の増加を認めた。コントロールのヒト末梢血単核球をstimulatorとした同種の系ではNK細胞の割合は増加しておらず,この反応は異種の系に特有なものと考えられた。stimulatorとtargetの固体を変えてcytotoxic assayを行ったところ,ヒトの末梢血単核球およびNK細胞群ではtargetは傷害されたが,細胞傷害性Tリンパ球の群ではtargetは傷害されなかった。このことから,NK細胞によるブタラ島に対する傷害性は非特異的な反応であると考えられた。
以上より,ブタ膵ラ島細胞のヒトへの異種移植の際には,細胞性の免疫反応が徐々にではあるが,特にNK細胞の活性化が進み,これによるgraftに対する非特異的なdirect killingが起こり得ると考えられた。また,NK細胞の活性化には様々なcytokineが関与するとされているが,IL-2がこの活性化に重要なcytokineはであることが示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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