1. 鎖肛ブタ家系の維持 鎖肛ブタ同志の交配により高頻度に鎖肛を得ることができた。特にオスの鎖肛は、出生直後に死亡するため緊急手術により救命した。9・10年度は成獣が殖えファームのスペースの不足からオス鎖肛5頭に手術を施行救命した。メス鎖肛はは20頭を選び生育させてた。この中から繁殖能力と発症頻度の高い鎖肛の成獣を15頭維持した。これらは十分な繁殖能力を持ち鎖肛ブタ家系の維持と遺伝子解析における戻し交配の親ブタとして役だった。 2. 鎖肛ブタ遺伝子の解析 つくば鎖肛ブタを樹立後、遺伝的に離れた系であるメイシャンブタを導入して純系に近い鎖肛ブタとの人工授精に成功し遺伝子解析な3世代のブタの材料を得た。従来の鎖肛同志の近親交配により生じたブタ検体とともに、メイシャンとの交配で得られたF1を鎖肛ブタに交配する(バッククロス交配)によりF2の検体をえた。10年度中にはこの交配により、分娩計33回で315頭の新生仔中29頭の鎖肛ブタを得ることができた。この検体を用いてスウェーデンのウプサラバイオメディカルセンターアンダション教授の協力の下に100以上のブタ染色体上にあるマイクロサテライトマーカーを用いて遺伝子解析をおこなった。この結果lod score 3以上のloci 1つ、lod score 1以上のlocus 3つが見つかり、現在これらについてさらに詳細に検討を行っている。さらにこれまで作成に携わったヒトブタ比較遺伝子マップをもとに、この遺伝子の機能も検索中である。
|