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1997 年度 実績報告書

ヒト培養細胞の突然変異誘発を促進する膵癌患者血清因子

研究課題

研究課題/領域番号 09671209
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

山森 秀夫  千葉大学, 医学部, 講師 (00166836)

研究分担者 田代 亜彦  千葉大学, 医学部, 助教授 (70143310)
鈴木 信夫  千葉大学, 医学部, 教授 (90111426)
キーワード膵臓 / 血清因子 / K-ras / 突然変異 / 癌遺伝子
研究概要

高頻度にK-rasコドン12の点突然変異を認めると報告されている膵癌の患者血清中に、K-ras癌遺伝子の突然変異誘発を促進する因子を見いだした。
まず、独自に開発した超高頻度突然変異細胞株の形質突然変異誘発試験により検索したところ、検査した10症例全例の血清中に変異誘発促進性を見いだした。さらに上述の突然変異誘発促進レベルの高い症例の、血清画分により形質変異をきたした細胞のK-rasコドン12に、塩基置換突然変異を証明し、同因子がK-ras癌遺伝子の変異に大きく関与していることを見いだした。
膵癌患者血清中より同因子を分離抽出し高純度製品を得ることは困難であるため、膵癌組織培養から同様の変異誘発促進因子が産生放出されているか否かを検討した。すなわち、膵癌培養細胞から無血清培地を採取し、その培地武運を塩析と色素樹脂クロマトグラフィーにより分離・分画した。これを前述の超高度頻度突然変異細胞株でウアバイン耐性化変異の頻度を測定したところ、明らかな突然変異誘発促進作用を認めた。またPCRとdot-blot hybridization法を用いてK-rasコドン12の変異の誘導も促進することを認めた。
以上より、膵臓組織におけるK-rasコドン12の高頻度変異の原因として、癌組織より放出される因子により変異誘導が促進されるという新しいメカニズムの存在が示唆された。また患者血清という有限の供給源と異なり、膵臓癌細胞培養上清という実験室で繰り返し供給できる、突然変異誘発性促進因子の産生源を発見した意義は大きい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki N, Suzuki H, Ishizuka T, Yamamori H et al.: "UV-induced mutations attecting ccdon 12 of the K-ras gene gene suppressed by interteron-α in human RSa cells" Mutation Res. 373. 251-256 (1997)

  • [文献書誌] Shimoda N, Tashiro T, Yamamori H, et a: "Effects of growth hormone and insulin-like growth factor-1 on protein metabclism,gut morpnology and cell medieted immunity in hurneal rats" Nutrition. 13. 540-546 (1997)

  • [文献書誌] Abe M, Kawano M, Tashiro T, Yamamori Het al.: "Catabolism of lipoprotein X inducedby infusion of 10% fat emulsion" Nutrition. 13. 417-421 (1997)

  • [文献書誌] Sugiura T, Tashiro T, Yamamori H et al: "Effects of insulin-like growth factor 1 on endotoxin translocation in burned rats receiving total parentoerel nutrition" Nutrition. 13. 783-787 (1997)

  • [文献書誌] 林求規、田代亜彦、山森秀夫他: "侵襲下におけるnー涼脂肪乳剤の投与量が免疫反応に与える効果とGranlucyte-macropnage colony stimulating factorの関与" 外科と代謝・栄養. 31. 225-232 (1997)

  • [文献書誌] 鈴木信夫、山森秀夫他: "ストレス感受性突然変異促進因子" Bio Review. 14. 5-9 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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