研究課題/領域番号 |
09671220
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
梅本 敬夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40223614)
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研究分担者 |
杉山 保幸 岐阜大学, 医学部, 助手 (90211309)
佐治 重豊 岐阜大学, 医学部, 教授 (80021400)
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キーワード | サイトカイン / 好中球 / 抗好中球抗体 / ラット敗血症モデル |
研究概要 |
担癌状態における血液浄化法としての好中球枯渇化療法の有用性について基礎的な検討を行った。【対象】GKS腫瘍を用いたF344ラット担癌モデルにおいて担癌時期別の検討を行った。GKS2腫瘍は教室で樹立したラット肝癌、で約12.5mgを皮下投与すると平均30日で腫瘍死する。投与直後を担癌早期、投与14日を担癌末期と想定した。【方法】好中球枯渇化抗体RP3と、好中球誘導作用をもつBRM(OK-432,G-CSF)を担癌時期別に投与し、生存期間、腫瘍増殖曲線、末梢血好中球数とCL活性などを経時的に測定した。RP3は2ml/匹を腹腔内に、OK-432は5KE/匹またG-CSFは 10μg/匹を皮下投与した。また担癌時期別の抗腫瘍性好中球の性格と作用機序を、活性酸素産生量から検索した。【結果】1)担癌早期にRP3を投与すると腫瘍増殖促進が、担癌末期にRP3を投与すると腫瘍増殖抑制がみられた。2)担癌早期にRP3→OK-432を併用投与すると腫瘍増魔促進傾向がみられ、好中球数、機能は低下していた。3)担癌早期にRP3→G-CSFを併用投与すると腫瘍増殖抑制傾向が、担癌末期にRP3→G-CSFを併用投与すると腫瘍増殖促進傾向がみられた。4)感染合併モデルでは、感染早期での白血球数の有意の低下、好中球分画の増加、好中球CL活性の低下、活性酸素の増加がみられ、好中球による組織傷害が示唆された。【まとめ】担癌早期に好中球を枯渇すると腫瘍増殖が促進されたが末期では抑制され、好中球は担癌早期には抗腫瘍性に末期には増殖促進的に作用する可能性が示された。好中球は担癌時期或いは骨髄由来か末梢由来かにより多面性を示す可能性が示唆された。
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