研究課題/領域番号 |
09671230
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堂野 恵三 大阪大学, 医学部, 助手 (60283769)
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研究分担者 |
永野 浩昭 大阪大学, 医学部, 助手 (10294050)
中森 正二 大阪大学, 医学部, 助手 (70294080)
梅下 浩司 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (60252649)
左近 賢人 大阪大学, 医学部, 助教授 (40170659)
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キーワード | 免疫寛容 / 肝網内系細胞 / ラット肝移植 / ドナー抗原提示 / ラット心移植 / 肝臓 |
研究概要 |
平成9年度に行ったinvivoの成績によって、抗原投与後のラットより肝を摘出し無処置ラットに移植する群(SLG)では移植片の生着短縮が、抗原投与後に肝を摘出し無処置ラットの肝を移植くする群(SLR)では移植片の生着が延長することが判明した。平成10年度はこのメカニズムを解析するため、以下の実験結果を得た。 (1) 各臓器におけるIFN-γ、IL-2、IL-4、IL-10.perforinのm-RNAlevelをRT-PCR法を用いて検討した。抗原投与早期にSLG群の肝におけるTH1typeのサイトカインの発現が強いことが認められた。 (2) 抗原投与前にラットにガドリニウムで前処置し、肝網内系細胞の貧食能を抑制するとSLG群において見られた移植片の生着短縮が認められなくなった。この事実より、肝内に免疫応答には、網内系細胞の関与が重要であることが示唆された。 (3) SLG群のラットより第2日目に血清1mlを採取し無処置ラットに投与後に心移植を行ったところ心移植片の生着短縮が認められた。従って、血清中に何らかの移植片拒絶を促進する物質が存在することが示唆された。 以上の結果より抗原投与後に肝内の網内系細胞を介して抗原に対する強い免疫応答が惹起され、特に液生因子が産生されていることが判明した。
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