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1998 年度 実績報告書

ヒルシュスプルング病の腸壁内神経伝達物質受容体の研究-ヒトと動物モデルとの比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 09671237
研究機関長崎大学

研究代表者

兼松 隆之  長崎大学, 医学部, 教授 (40128004)

研究分担者 重松 和人  長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
谷山 紘太郎  長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
丹羽 正美  長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
キーワードヒルシュスプルング病 / 神経伝達物質受容体 / エンドセリン受容体 / サブスタンスP受容体 / 筋層間神経叢 / イレウス
研究概要

ヒルシュプリング病の腸管機能不全の機構を解明するためにエンドセリン受容体等、腸管運動関連神経伝達物質受容体を解析した。初年度の研究技法(3種類の神経伝達物質受容体の視覚化と定量法、(1)定量的受容体オートラジオグラフィー法「受容体リガンド結合活性の局在と、その生理的、病態的変化」、(2)放射免疫組織化学法「受容体タンパクの最終局在部位と、タンパク量」、(3)in situハイブリダイゼーション組織化学法「受容体タンパク産生部位の同定とmRNA発現量」の一体システム化)の改良を基礎に、本年度は、腸管におけるエンドセリン受容体の性状と分布の検索、無神経節ラット病変部位における変化、手術時摘出ヒルシュプルング病腸管標本における受容体解析を行った。
1)ヒト手術時摘出腸管標本では、粘膜固有層、粘膜下神経叢、外縦走筋にエンドセリン受容体が、豊富に存在した。筋層間神経叢ではエンドセリンETB受容体が発現していたが、他の部位では、ETA受容体と混在していた。2)実験動物(ラット、モルモット)でも、分布と性状は同じであった。3)粘膜固有層でのエンドセリン受容体は、主にマスト細胞と腸管マクロファージに存在していた。4)筋層間神経叢でのETB受容体は、アセチルコリン作働性と思われる大型の神経細胞上に観察された。5)無神経節ラットでは、筋層間神経叢への選択的ETB受容体リガンド^<125>I-IRL1620の結合が認められず、機能的ETB受容体が欠落していた。しかし、サブスタンスP受容体の機能には異常は認められなかった。6)一例のヒルシュプルング病手術時摘出病変部腸管標本のエンドセリンETB受容体リガンド結合は正常であった。
エンドセリンETB受容体の機能的欠損がヒルシュプルング病の腸管機能不全の原因の一つであることが確認できたが、ヒトでは他の遺伝因子も本症の病因に関与することが示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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