研究分担者 |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
大村 東生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30295349)
秦 史壯 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70291557)
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40260757)
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研究概要 |
テロメラーゼ活性測定を細胞診レベルで癌確定診断に応用することを目的として、本年度は、非放射性プローブを用いたテロメラーゼ活性測定法を開発し、感度試験を行った。 テロメラーゼ活性の抽出および増幅は、Kimらの方法(Science 23:2011-2015)に基づいて行い、検出は放射性物質を使用せずに、増幅産物をポリアクリルゲル電気泳動後、ナイロン膜に転写し、Digoxigenin標識プローブ(5'-(CCCTTA)_6 CCCTAA-3')を用いて行った。増幅産物は56bpから6塩基毎のラダーとして検出された。また、サンプルを熱またはRNase処理することで、増幅産物が検出されないことから、テロメラーゼ活性を検出していることが確認された。各種培養癌細胞(乳癌:HMC-1,2,MCF-7,胃癌:MKN-28,SSTW,膵癌:HPC-1,3,4 子宮癌:Hela,腎癌:293,等)を用いた検討では、すべての培養癌細胞株でテロメラーゼ活性が検出された。また、上記細胞を用いた感度試験では、10^6-10^3まで検出可能であった。使用蛋白量では0.6μgまで検出可能であった。また、臨床材料を用いた検討では、大腸癌、腺種、正常粘膜生検材料の中、大腸癌組織のみにテロメラーゼ活性が確認された。つまり、生検組織を用いた癌診断に有用な方法と考えられた。また、最近、開発されたOncor社の放射性物質を使用するTRAP法との比較では、このキットは蛋白量で0.06μgまで可能であり、我々の方法は、感度において劣るものの、放射性物質を使用しない点からみると日常検査への応用が可能と考えられた。現在、これらの方法を用い臨床材料による検討を進めている。
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