研究概要 |
本年度は、これまでの研究結果から判明した、現時点において最も安全で再現性のある免疫寛容誘導法、即ち、recipient(R)に術前全リンパ組織照射(FLI)、150rad/d、3日間腎移植時に腎donor(D)からの骨髄(分画細胞)移植(BMT)、2×10^7/kg,術後FK506筋注(0.08mg/kg/d)3ケ月間投与し、骨髄chimera成立の有無とくに術後の(R)の血中リンパ球、リンパ節、骨髄中に存在する(O)由来のリンパ球によるMLRにおいて抑制効果の特性を検索した。さらにFK中止後も生着している症例について、腎(O)および固定した弟3者(T)からの皮膚移植(SGT)によって、(O)特異性の有無を確認した。(O)(R)のpairは従来どおり、非血縁で雌雄の異なる、MLR不適合のpairを選んでいるが、これらの適合度をDWAレベルで、retrospectiveであるが、PCR・SSCP法によって確認した。結果:A)無処置群(n=9)、B)FKのみ(n=6)、C)FLI、BMC(n=8)、E)ELI、BMT、FK(n=13)についてみると、腎生着日誌(MST)ではA,B,C群でそれぞれ11,15,7,3日、O)群では7/8例は90日以内に拒絶(MST:53.2日)、118日目で拒絶の例は、SGPで(O)、(T)ともに対照同等に拒絶された。一方、E)群ではMST:172日、karyotypig可能な8例中5例でchimerismで維持された症例では>100日生着し、腎(O)からのSGSのみ生着した。一方、一時的にchimerismが出現した症例では8例中3例において、137日以内に全て拒絶された。MLR-6loking Testを行った。E)群の3例の長期生着例では、術後の(R)の末梢リンパ球、膝高リンパ節より分離したリンパ球、骨髄穿刺により得た骨髄細胞は、(R)の術前に保存したリンパ球に対する(D)のリンパ球に対する反応をのみ特異的に抑制した。一方、chimerismが消失した群では、抑制がみられず、リンパ球障害試験で(D)に対する特異的な抗体が出現した。以上から本プロトコールにより、PCR-SSCPでも確認できた組織不適合の組み合わせにおいて、本併用処置により、組織不適合の組み合わせでも、より安全に腎移植で免疫寛容を誘導、維持が可能であった。現在、本学の自家学値の家系をPCR-SSCP法で検索し、OR遺伝子型:homoyrgousな型同志で交配し、beagle、anagrelそれぞれ1組で雄2、雌3:雄2、雌3、の仔を出産した。これらをtypigc homo同志で交配し、少なくとも3型を固定する計画である。今後、このhonogrgosな系統を用いて、これまで得た知見により明確にしていく計画である。
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