研究課題/領域番号 |
09671249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
相浦 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00184010)
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研究分担者 |
斉藤 淳一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30276274)
板野 理 慶應義塾大学, 医学部・, 助手 (90265827)
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50142419)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 分子生物学 / ヒトゲノム / 二次元解析法 / 癌遺伝子 / RLGS法 |
研究概要 |
癌は遺伝子異常の蓄積の結果生じることがわかってきたが、再発、転移といった予後因子として臨床上有用なマーカーとなる遺伝子異常は、極一部しかわかっていない。われわれは、一枚のゲル上で数千もの遺伝子座位を一度に解析でき、多数例を比較検討することが可能なRLGS法をヒト大腸癌、肝細胞癌に応用し、それぞれの癌組織に特異的な遺伝子異常を同定し、その塩基配列を決定した。さらにその臨床的意義についても検討を行った. 1. 大腸癌では一症例あたり平均12個のスポット変化が認められた。そのうち共通して高率に変化が認められたスポットをクローニングし、その塩基配列を決定したところ、410塩基対からなる遺伝子断片で、ホモロジー検索を行ったところ、ヒト脂肪酸合成酵素遺伝子とDNAレベルで69%の相同性を有していることが明らかにされた。さらに当スポットから得られたDNA産物をプローブとしたノーザンブロットハイブリダイゼーションを当スポットのみられた検体で施行すると、癌部のみにRNA発現が確認された。 2. 肝細胞癌では一症例あたり平均16個のスポット変化を認めた。スポット変化数で術後累積生存率を比較検討すると、15個以下の群で優位に良好であった。癌部で共通して著しく増強している4個のスポットについて,クローニングし塩基配列を決定した。1個は染色体8q21に存在している1088個の塩基対からなるhuman tandem repeat sequence遺伝子で、もう一つは数個の染色体にわたって存在している1415個の塩基対からなるcentrometric NotI cluster遺伝子であった。これらのスポット輝度と肝細胞癌術後の無再発生存率との間には有意の相関が認められ、これらのスポット輝度の変化を測定することにより肝細胞癌の有用な予後因子となる可能性が示された。
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