研究概要 |
機能正常を目的としたバセドウ病の外科治療后に永続的甲状腺機能低下症になる確率は5〜10%である。これらの症例は反対に生涯甲状腺ホルモン剤を服用することになる。この症例に対し、そのホルモン補充を連結保存甲状腺組織の自家移植にゆだね、服用通院から解放させる目的で基礎実験をおこない、臨床応用をおこなった。 (1)連結組織片より分散した細胞の生存率は50%前後であり、移植片の機能は組織重量の半分と考えられた。 (2)術後甲状腺機能低下症例と自己抗体(Tg-Ab,TPO-Ab)に関連性を認めた。即ち自己抗体陽性例に機能低下症が多かった。 (3)バセドウ病手術例は、我々の提示した方法で4℃→-80℃→-196℃と徐々に、全例細分化し連結保存、臨床的応用にそなえた。 (4)バセドウ病手術後1、8年後永続的甲状腺機能低下症と診断した症例に対し十分なインフォームドコンセントを得た上で未だ我が国のみならず諸外国でも報告のない第1例の臨床応用をおこなった。 (5)この良好な結果をもとに慎重に適応を選びつつ臨床応用例を重ねている。 (6)基礎研究データ、臨床検査データ、学会発表準備、国際学会発表などにすべてコンピューター処理、応用を基盤とした。 (7)これらの研究実績を欧文にて論文作成中である。
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