研究概要 |
バセドウ病の治療には抗甲状腺剤による薬物療法,外科的療法、アイソトープ療法の3大治療法がある。抗甲状腺剤療法の継続が種々の理由で困難又は不可となった症例で,又、長期にわたる抗甲状腺療法から解放される目的で外科的治療法を選択したにもかかわらず,逆に機能低下症となり,生涯の甲状腺ホルモン剤補充が必要となる症例がある。これは当科では約7%である。これらの症例に対しホルモン補充を経口投与でなく,自家移植により産生される甲状腺ホルモンに委ねる目的で基礎実験を確立した上で臨床応用をおこなってきた。バセドウ病術後永続的甲状腺機能低下症と判断された4症例(術後低下症となってから2年以上経過した症例)を対象とし凍結保存甲状腺組織から2-4gを自家移植した。その後,定期的に甲状腺機能を測定放射的学的にも^<131>Iシンチグラム検査等を通してその生着とホルモン産生を裏づけた。1例に再び機能低下症に陥いった症例があり,定期的follow upを継続したが機能の回復は認められなかった。今回臨床成績の解析およびその整理が終了したので最終論文を作成中である。
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